計画を決めたのに未だにFIREしていない問題
FIREしようと考えたのは30代の時ですが、FIREしようと思ってから随分時間が経ちました。
5年以上は経過しているでしょう。
私はFIREしようかなと考え始めた当時も既にそれなりの資産があり、「よっしゃ!明日から会社辞めてサイドFIREしよう。」と思えばサイドFIRE可能ではありました。
ですが、それから数年未だに社畜を続け既に42歳です。
その間色々ありました。
計画の後ろ倒しや、自宅不動産の購入など「よりFIRE生活を万全にしよう。」としている節があります。
今日は40代になっても未だFIREしていない理由を少し考えてみようと思います。
FIREできる人ほどハマるOne More Year症候群
なぜFIREすることを決めて、資産的にもまず問題ないことが分かっているのに未だにFIREしていないのか。
理由は様々あります。
まず第一に「踏ん切りがつけ辛い。」という問題です。
最近だと絶対仕事辞めるマン氏がFIREの目標金額の1億円に到達しましたが、未だにブラック企業で社畜を続けているようです。
1億円到達前後に書いた記事ですが、私は絶対仕事辞めるマン氏は1億円の資産を作った後もリタイアできないのではないかと考えていました。
今のところ私の想定どおりの動きをしています。
ブラック企業で働くのをあれほど嫌がっていたのに、未だに仕事を辞めていません。
そして大きな買い物をして意図的に目標額から遠ざかる動きをするのではないかと見ていました。
こちらも、その傾向が見られます。
最近これまで見向きもしなかった10万円以上する電子レンジを買い、外食も楽しんでいるようです。
順調に支出がガバガバになってきていますね。
目標額から遠ざかろうとする動きです。
ただ、これは絶対仕事辞めるマン氏がチキンな訳ではありません。
恐らくFIREにおいて資産を形成できるような人であれば誰しもこうなります。
実際FIREに向けて動いてみると分かります。
計画当初や計画中は脇目も振らずに計画を進めていきますが、計画終盤から目標目前の辺りになると「あれ?もう目標に到達しちゃう。ホントに辞めるの?俺」という自問自答をすることになります。
いわゆるOne More Year症候群という奴ですね。
もっと働いていれば、もっと良い状態でFIRE生活に入れるという誘惑です。
この辞めたいんだけど、もうちょっと居ればという気持ちがFIRE達成を阻んできます。
FIRE生活の前に立ちふさがるマモノ
これ以外にもFIREを阻む問題はあります。
それはFIRE生活に入ってこのまま働かずに一生を終えられるかという不安です。
この不安がFIREへ踏み出す足に二の足を踏ませます。
何しろFIREしようって人間は働くのが大嫌いです。
私も嫌いです。
働きたくなくてFIREするのですから、FIRE卒業は絶対に避けたいです。
しかもタップリ無職期間を経た後に再度働くなんて状況になれば、今より労働環境が悪くなるのはほぼ確実です。
再就職の恐怖が大きければ大きいほど、よりFIREの計画は万全にしたいと考えるでしょうね。
このFIREした後の不安に関しても対処が難しい問題です。
対処不可能な問題なら気にせずFIREしてみて、FIRE生活の中で対処するという方法も取れるんですが、「何だか分からないけど不安」という程のあいまいな感情からくる不安ではないのが、面倒なところです。
FIRE後に問題になるのは、基本的にお金と健康くらいしかありません。
FIREすれば当然働いていないので、人間関係に紐づく不安はなくなります。
心理学者のアドラーは「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである。」と考えていましたが、実際不安になるような問題は基本的に対人関係にあると思います。
人生の不安の原因の1つである対人関係からくる不安に関しては、FIREすれば相手をしたくない人間の相手をする必要はなくなりますので、悩みは一切無くなります。
つまりFIRE後の人間は老人と同じで、残る悩みは「健康とお金」しかありません。
そしてFIREする人の不安は、老人に比べて圧倒的に長い残り時間が原因で生まれます。
「お金の不安」にフォーカスされるということです。
結局、FIREする時は覚悟を決めるしかないと知る
私も例に漏れず、FIRE後のお金の問題には不安を感じます。
何もない状態で自分から計画を踏み外しにはいかないと思っていますが、自分ではどうにもならない部分に不安を感じます。
1つは寿命の問題、そして最近急速に膨らんできたのがインフレ率の問題です。
寿命に関しては自分ではどうにもなりません。
勿論自〇すれば強制的に終了させることも可能ですが、正直そんなことをしたくはありません。
そうなると自分が思った以上に長生きしてしまった場合、FIRE計画を大きく揺るがすことになります。
正直、寿命に関しては多分こんなに長生きしないだろうな程度に多めに見積もって計画に組み込むしかありません。
両親や親類が何歳まで生きていたかという事実を参考にすることもできるでしょう。
私はオッサンなので平均寿命なら81歳ですが、90歳で見積もっています。
寿命に関しては多めに見積もれば対処できますが、もう1つの問題は対処が難しいです。
それが、ここ2,3年で持ち上がってきたインフレの問題です。
FIRE計画を作っている人なら分かると思いますが、インフレ率の計算はFIRE計画に大きなインパクトをもたらします。
40歳、資産5,000万円、月20万円の生活費の人が4%の利回りで運用した場合、インフレ率が0%だと89歳、1%だと72歳、2%だと65歳、3%だと62歳、4%だと60歳と、インフレ率によって大きく資産寿命が変動します。
0%と4%の間には約30年もの差が生まれます。
私は日本の過去のインフレ率からリタイア計画のインフレ率を見積もって計算していましたが、ここ数年は計画を大きく超えるインフレ率になっているので、これが大きな不安になっています。
インフレは本来、過剰に心配する必要が無い問題です。
何故なら、インフレになれば金利は上昇しますし、投資商品もインフレ率を上回る上昇になるのが基本だからです。
インフレ率が4%でも金利が8%なら何の問題もありません。
景気が悪くなれば金融緩和するので、金利が下がりインフレも沈静化するのが経済の原則です。
あくまで原則です。
ですが、この体験したことがない「物価が上がる」という状況は不安になります。
日本の経済政策が上手くいっているのを見た試しがないのも不安を掻き立てます。
将来の経済は右肩下がりになるでしょうし、インフレになって物価が上がっても、金利が上がらない可能性もあります。
他の国では不安にならないでしょうが、社会人になってから一度も右肩上がりな社会や、金利がある社会を見たことがない私からすると不安になります。
ただ、これは割り切るしかない問題なんでしょうね。
結局最後は清水の舞台から飛び降りる気持ちでFIREするしかないんでしょう。
コメント
nekonabeさん おはようございます。はしQです。当方も煮え切らず社畜生活を続けております。当方の場合は、それほどブラックでも責任も大きくなく、有休もきっちりとれる職場に転職したので、あえて職を捨てるのはあまり意味がなくなってしまっているので、資産を積み上げるのがゲームのような感覚で続いている感じです。たぶんよほど体調が悪くならない限り残り2年とちょっとなので、満了まで務めることになりそうです。この春にやってくる周囲の環境変化も、しばらく様子見で現状キープです。とはいえ最後はいつでも辞められる切符(=億り人)を手に入れておけばと、左うちわのはずでしたが若干日本株が上がりすぎ、大暴落がちらつき始めて心穏やかではありませんが。
はしQさん、コメントありがとうございます。
別段ブラックじゃないと辞める踏ん切りがつかないですよね。
私も有給は遠慮なく使うし、残業も殆どしませんからね。
世間一般ではホワイトと呼ばれるでしょう。
ブラックなら脇目も振らずに逃げ出しますが、変にホワイトだと切欠がありません。
現状維持になるのも当然ですよね。
株価についてはやっぱ4万見た後に落ちましたね。
バブル後最高値を更新した時は思ったより上がるなと思いましたが、4万円見たら落ちるだろうと言っていたらやっぱり落ちましたね。
まぁ民主党政権時代は1万円以下だったんで、それを考えれば今でも十二分に高いですよ。