うすら寒い話を見て感じる経営者の勘違い3点

驚き青ざめる男性 セミリタイア
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うすら寒いタイトルにおびき寄せられるオッサン

「60歳を過ぎても精力的に働ける人」のたった1つの特徴という記事を見ました。
こういうタイトルの記事を見た瞬間は、戦慄が走ります。

「は?何言ってんだ。こいつは」ってな感じです。
この手の啓発を誰がするのかと想像すれば、大体どこぞの会社の経営者な訳ですが・・

「60歳を過ぎても精力的に働ける人」のたった1つの特徴
「60歳を過ぎても精力的に働ける人には、1つの特徴がある」。そう語るのは、これまで3500社以上の導入実績がある組織コンサルタントである株式会社識学の代表取締役社長・安藤広大氏だ。「会社員人生が変わった」「誰も言ってくれないことが書いてある...

ご多聞に漏れず、会社経営者が書いた自己啓発本の宣伝だったので、今日は経営者が宣う「60歳を過ぎても精力的に働ける人」とやらの話の勘違いを語っていこうと思います。

勘違い①「会社の成長と個人の成長を紐づける」

経営者の勘違いの最たるものの1つに、会社に所属する個人の成長が会社の成長に必須であるかのように考え、その考えを押し付けてくることがあります。

確かに資本主義であり、会社が株式会社である限り会社は成長し続ける必要があります。

株主への配当を支払わなければなりませんし、安定した成長は銀行融資が必要な際にも有利に働くでしょう。
お金の取り合いになる資本主義社会では、会社組織というものは常に成長を求められます。

まぁだからと言って、必ずしもそこで働いている人間が成長し続けなければならないかというと、そんなこともありません。

会社で働いている人間からすれば、貰える給料が上がらないのに要求だけ年々吊り上げられていっても、それに従う必要性を感じません。
当たり前です。

日本では30年以上ほとんど給料は上がっていませんし、可処分所得は減り続けています。
そんな中で、従業員個々人への成長を押し付けても誰も着いていかないでしょう。

経営者はアホな勘違いをしていないで、成長させたいなら従業員を増やして対応するべきです。
1.2×5で6の成果を出そうとするのではなく、1×6で6の成果を出すべきです。

要するに今いる人間を扱き使って何とかしたいなら給料上げろ、嫌なら従業員増やして業績を成長させろということです。

人は社会人である限り、成長し続けないといけないものです。

「60歳を過ぎても精力的に働ける人」のたった1つの特徴から引用

この一言に経営者の傲慢が表れていると言っても良いです。
従業員の方が成長し続ける必要がありません。
会社を成長させ続けなければならないのは経営者であって、働いている従業員ではありません。

従業員はどちらかと言えば、仕事を辞めてからの方が成長が必要になることでしょう。

勘違い②「お題目と行動がリンクしない」

「60歳を過ぎても精力的に働ける人」のたった1つの特徴はこの経営者曰くプロフェッショナルになることだそうです。

経営者が大好きなプロ意識という奴ですね。
このプロ意識だとか経営者目線だとか言い始める経営者は基本的に碌なもんではありません。

プロフェッショナルとは自分の働きで金が稼げる人のことです。
経営者は従業員が独立して自分で稼げるように支援しているのでしょうか?

こういったことを言う経営者に限って、従業員を自分の会社に縛り付けようとしていると思いますが、言っていることとやっていることが合っていないことが多いです。

プロを育てたいなら、会社に居なくてもやっていけるような教育をするべきでしょう。

会社の中で成長し続けて、独立も転職もしないなんてことはあり得ません。
誰しも自分で稼いだパイは独り占めしたいですし、本当に成長し続けるのであれば、会社はどんどん狭く、不要なものになっていくはずです。

本当にこれが実践できているのなら、リクルートのような大企業になっているはずです。
それができていないなら、やはり何か勘違いしている経営者であるということです。

勘違い③「社畜はお金が目的」

経営者最大の勘違いは、社畜はお金のために働いているという大前提をどこかに放り出して啓蒙活動をしていることです。

社畜が働くのは、あくまで生活のためです。
これは動かしようのない大原則です。

60歳を過ぎてまで、ずっと働き続けたいなんて真面目に考えている社畜はまず居ません。

60歳以上になっても働き続けるのは、生活水準が落とせないか、ローンの支払いが残っているか、リタイア後の資産が無い場合がほとんどです。
つまり金が無いからしぶしぶ働くってことです。

60歳過ぎて体もシンドイし、できれば辞めたい。
だけど金が無いから働くという人に成長がどうしたとかプロフェッショナルがどうとか言っても響くわけありません。

「は?そんなの知らねーし。金がもらえれば何でもエエわ。」という人がほとんどでしょう。

終わりに

そんな訳で、経営者の勘違いをつらつらと語っていきました。
基本的には経営者の勘違いなんですが、完全に無視して働くこともできないのが雇われの社畜の悲しいところです。

相手は懲戒や減給といった強硬策も取れる経営者なのです。
真っ向から反抗できないからこそ、経営者も勘違いが進むのでしょう。

手っ取り早く反抗するなら、Financial Independence(経済的自立)することです。

銀と金 3巻 21話から引用

FIしていれば、こういった勘違いに対抗することもできます。
「何言ってんだ。こいつは。さっさと辞めよう。」という手段を取ることもできるし、「何か言ってるけど、今のままで行けるならできるだけ金引っ張ろ。」という手段をとることもできます。

つまるところ、プロだの何だのそんな面倒なことをする前に手っ取り早く経済的自立をした方が良いのです。

奴隷の足輪のカギは外した状態で、奴隷を続けるか、それとも逃げるか。
社畜は経営者にまともに付き合わないのが正解です。

どうしても成長したいのなら、自分も経営者になることですね。

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