私の意見を記載したものですので、実際の投資は自己責任で行ってください。
南アフリカの格付け引き下げでランド円はどうなる。
南アフリカの格付け引き下げ
2020年11月20日ロイターから南アフリカのソブリン信用格付けが引き下げられたことが報道されました。主な格付け会社の格付けは以下のとおりとなっています。
これまでの信用格付け | 2020年11月20日時点の信用格付け | |
フィッチ | BB | BB- |
ムーディーズ | Ba1 | Ba2 |
S&P | BB- | BB- |
格付け会社(格付け機関)とは国債や社債の利払いや償還能力について、財務調査などを通して評価する会社のことで、ここに記載したのが米国系のムーディーズとスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)、欧州系のフィッチ・レーティングス(フィッチ)が世界的に有名な格付け会社となります。国内ですと格付投資情報センター(R&I)や日本格付研究所(JCR)などがあります。
信用格付けの格付け区分は会社によって異なります。
主な格付け会社の格付け区分が、以下の様になっています。(赤字は今回の南アフリカ格付け区分)
フィッチ | ムーディーズ | S&P | ||
AAA | AAA | Aaa | AAA | |
AA | AA+ | Aa1 | AA+ | |
AA | Aa2 | AA | ||
AA- | Aa3 | AA- | ||
A | A+ | A1 | A+ | |
A | A2 | A | ||
A- | A3 | A- | ||
BBB | BBB+ | Baa1 | BBB+ | |
BBB | Baa2 | BBB | ||
BBB- | Baa3 | BBB- | ここまでが投資適格の等級 | |
BB | BB+ | Ba1 | BB+ | ここ以下は投機的な等級 |
BB | Ba2 | BB | ||
BB- | Ba3 | BB- | ||
B | B+ | B1 | B+ | |
B | B2 | B | ||
B- | B3 | B- | ||
CCC | CCC+ | Caa1 | CCC+ | |
CCC | Caa2 | CCC | ||
CCC- | Caa3 | CCC- | ||
CC | Ca | CC | ||
C | C | C | ||
D | – | D |
一般的にBまでは債務を履行する能力はあると見られます。
CCC以下はデフォルトの可能性が高いと見られます。
南アフリカの格付けのBBですと、世界的な不況や、政治的な不安等の環境変化で債務が期日までに履行されないリスクがあると見られます。
一般的には投資適格に無いということでジャンク債とよばれます。
南アフリカランド円の前回格付け引き下げ時はどうだったか。
2020年4月29日にS&PがBBからBB-に格付けを引き下げをしています。
その前後のランド円の動きは2020年4月6日に1ランド5.6円割れを見た後、上昇トレンドの中にいました。4月29日の終値は1ランド5.85円(赤の垂直ライン)となっています。
日足レベルでは上昇トレンドの中にあり、2020年11月20日時点で1ランド6.72円です。
表示チャートはTradingView提供のチャートとなっています。
発表後の4月30日以降しばらく下落し5.62円を底値にその後上昇しています。
今回の格付け引き下げ時はどうなるか。
前回の格付け引き下げ時は、4月29日の格付け引き下げ発表から下落トレンドに入り5.62円の底値まで下落率はマイナス3.95%となっています。
単純にこれを適用すると、11月20日の終値1ランド6.723円なので、1ランド6.491円になります。
この1ランド6.49円の水準(赤の水平ライン)近辺は何度か抵抗ラインとして機能しています。
赤の丸で示したもので3回抵抗ラインとして反応しており、この抵抗ラインを突破して上昇していますので、今後は下落の抵抗ラインとして機能する可能性があります。
そのため下落した場合も1ランド6.49円が抵抗になると思われるため、下落は20日平均移動線の6.60から6.49辺りが短期の底値になるのではないでしょうか。
今回の格付け引き下げは、以前から予測されていたものであるため、テクニカル的には中長期で考えた場合も1ランド6.4円のラインを割ることは無いものと予想します。
以下がランド10年金利とランド円日足の比較チャートになります。
赤がランド円日足チャート、ロウソク足がランド10年債利回りのチャートになります。
現在ランドの10年債利回りとランド円は逆相関の関係になっているため、10年債利回りが上昇した場合、1ランド6.4円のラインを割る可能性もあります。
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