持株会入った方が良いですかとか聞いちゃう？
会社の新人に持株会は入った方が良いかという質問を受けたので、ちょっと考えてみたいと思います。
持株会とは。
従業員持株会とも言われますが、上場企業の従業員が加入する自社株取得制度です。
一般的には、従業員個々人が従業員持株会に拠出する金額を設定することで、毎月の給料日に自動的に設定した金額を自社株購入に充てるようになります。
持株会に加入している従業員から集めた資金で、持株会が自社株を購入するという形をとります。
自分の所属会社が上場していない場合でも、親会社が上場していて親会社の株を購入する拡大従業員持株会というものも存在します。
あとは、スタートアップ企業等で従業員の自社株購入を求める場合もあるかもしれませんが、持株会という体にはなっていないと思う
持株会のメリット
持株会にはいくつかのメリットが存在します。
安定株主になる等会社にもメリットがありますが、ここでは従業員側のメリットの話です。
- 推奨金
- 分散投資
- 1単元未満でも購入可能
持株会の大きなメリットの1つに推奨金の存在があります。
推奨金とは、毎月購入すると設定した金額の10%程度を上乗せして購入してくれる制度です。
つまり購入した瞬間に10％利益が出ます。
10000円を持株会で購入する設定としていた場合は、毎月11000円自社株を購入することになります。
2つ目のメリットは分散投資になる点です。
ここでいう分散は購入するタイミングが分散されているという意味での時間的な分散です。
3つ目のメリットは1単元未満でも購入可能なことです。
最近は証券会社でも単元未満で購入可能なサービスを提供しているため、それ程メリットにはなりませんが、一般的には100株単位の購入が必要な株式を、毎月設定した金額分購入することができるため一応メリットとしました。
持株会のデメリット
持株会のデメリットも存在します。
- 単純に給料が減る。
- 売却が自由にできない。
- 労働資産と金融資産が偏る。
- 株主優待が無い。
1つ目は単純に手取りの給料が減ることです。
ただでさえそれ程多くない給料から税金を引かれ、更にそこから持株会で引かれることになるので毎月のやりくりが大変になるかもしれません。
ですが、持株会の購入金額は自分で設定できるので無理のない範囲で設定すればよいと思います。
2つ目は売却が自由にできないことです。
通常持株会に自分の持ち株の売却申請をするか、引き出しの申請をするかどういった手段になるかは所属する会社で異なると思いますが、とにかく申請が必要になります。
しかも申請から2週間以上売却できないという場合が多いため、自分が売りたいタイミングで売却できない可能性があります。
引き出しの場合は、自分の証券口座に移すことになるため移した後は好きなタイミングで売却すれば良いかと思います。
3つ目は労働資産と金融資産に偏りが出てしまう点です。
自分が働いている会社(労働資産)と所属している会社の株式(金融資産)が同じなので、資産に偏りが出来てしまう点がデメリットになります。
所属会社が潰れたら、自分が無職になった上で持株会で購入していた株式も価値が0円になるのでリスクになります。
潰れるまでは早々ありませんが、業績悪化した場合はボーナスの減少と株価の下落のダブルパンチを受けることになります。
上場企業の場合、決算情報が投資家向け情報で四半期毎に報道されているので潰れるまで株式を握っているとは思えませんが、この辺りがデメリットであると感じている人は持株会なんて入っちゃ駄目だと言うことが多いです。
4つ目は株主優待が無い事です。
これは書いたとおりで、1単元以上持っていても株主優待は貰えません。
株式を持っているのが持株会になっていて従業員個々人ではないためです。
ちなみに配当はあります。ほとんどの持株会の場合は配当はそのまま再投資になると思うので、手元には来ません。
で？メリット、デメリット含めてどう回答するか。
以上がメリット、デメリットの話になります。
それを踏まえて、「この会社が良いと思ったから入社したんだろうから、毎月数千円程度積み立てておいて、1単元貯まったら引き出して売れば良いと思うよ。」が私の回答になります。
1～3のメリットを受けつつ、3のデメリットを潰す方向で考えれば購入した時点で10%利益が乗っているので、最低でも10%～20%程度の利益が取れると思います。
糞株だったら、従業員持株会に入るか悩むより転職で悩んだ方が良いと思います。
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