私の意見を記載したものですので、実際の投資は自己責任で行ってください。
経常収支が大幅な赤字に
米商務省が12月18日に発表した第3四半期の経常収支は、赤字額が前期比10.6%増の1785億1300万ドルと、2008年第2四半期以来、12年ぶりの大幅な赤字額となりました。
私はドル円についてはそろそろレンジ内の動きから抜けるのではないかと考えているため、記事をいくつか書いています。
今回のニュースで円高方向へのレンジブレイクが起きるか、過去のチャートから確認してみようと思います。
2008年時のドル円チャートはどうだったか。
2008年は丁度リーマンショックが発生した年です。
以下にチャートを載せますが、2008年1年間の値幅(1月高値と12月安値)は112.135円から87.126円で約25円の値幅がありました。
表示チャートはTradingView提供のチャートになります。
リーマンショックによる下落が9月から始まっていますので、そこからの下落は特殊な条件であるとして考えないことにすると2008年1月から8月までのドル円の1月高値と12月安値の値幅は112.135円から107.279円で、その差は4.856円になります。約4.4%の下落です。
これを2020年12月18日の終値時点での価格に当てはめると、98.76円になります。
これから直に100円割れを目指す動きにはならないと思いますが、円高方向への動きが加速する可能性は高いものと思われます。
アメリカの経常収支の赤字はどうだったか。
アメリカの経常収支について確認してみようと思います。
外務省から出ている資料(米国経済と日米経済関係)から確認する限り、アメリカの経常収支は基本的に赤字で推移しています。
ドル円とのチャートと比べると、2013年から2015年の財政収支の赤字が縮小している時期はドル円は上昇しているため、ドル円のチャートと財政収支の状況は逆相関の関係にあると思われます。
外務省の資料からは2021年以降も赤字で推移することが想定されています。
また、FRBは12月16日のFOMCで「雇用最大化と物価安定の目標へ十分に前進するまで続ける」方針を発表し、金融緩和の長期継続を約束しています。
そのため、現在のアメリカの金利と日本の金利差は変わらず現状と同じように動くと思われます。
以下、アメリカの10年債の利回りと日本の10年債の利回りの比較チャートになります。
リーマンショック時を超える1785億1300万ドルの赤字に比べて日本の経常収支はどうなっているのでしょうか。
以下、財務省の国際収支の推移からグラフ化したデータとなりますが、2013年から2014年時に一時的に経常収支の赤字が発生していますが、基本的に黒字で推移しています。
短期的にどこまで下げるか。
直近の水準だと2020年3月に到達した101.180円の安値(終値で102.370円)を目指す展開になると思います。
現状のレンジをそのまま拡大すると、102.40円辺りになるためこのまま下げていっても一度2020年3月の終値の近辺で下げ止まって押し目を作るのではないでしょうか。
コメント