希望退職を募集する企業が増えている。
2020年の希望退職を募集した企業は96社あり、2019年が36社だったので3倍近い数の企業が希望退職を実施したようです。
希望退職とは、経営が苦しくなってきた企業が自主的に退職してくれる社員を募集する制度ですが、最近は経営が特に苦しい訳ではない黒字企業でも、募集することがあるようです。
セミリタイアしたい人間からすると、どういう行動をするのか検証してみたいと思います。
実際募集していたらどうなのか。
希望退職が募集されると、自己都合退職より良い条件で会社を辞めることができるケースが大半だと思います。
と言うより、条件が良くないと態々辞めないと思うので当然と言えば当然ですが。
希望退職では以下のような条件を設定する場合が多いです。
1.退職金の割り増し
2.再就職の支援
3.未消化有給の買い上げ
どの条件も企業の体力によりますが、実際どの程度の条件ならセミリタイアしたい人は希望退職に応じるのでしょうか。
セミリタイア希望者は希望退職に応じるのか。
セミリタイアしたい人と一言で言っても、それなりに多岐に渡ります。
考えられるパターンとしては、以下のような場合でしょうか。
1.セミリタイア開始予定まであと1年程度の場合
2.セミリタイア開始予定まであと10年以上の場合
3.それ以外の場合
希望退職の募集に年齢制限を付ける場合が多く、大体40歳から45歳程度からの会社が多いため、ここでは40歳~60歳のセミリタイア希望者を想定します。
1.セミリタイア開始予定まであと1年程度の場合
今年中に辞めてセミリタイアしようという人であれば、多少条件が悪くても応じると思います。
これについては、単純に割り増しされた退職金の金額が、残り1年程度の給与とどれくらい差があるのか考えて判断することになると思います。
余程条件が悪く無ければ、12カ月以上は割り増し退職金を払う条件にすると思いますのでそのまま応じるのではないでしょうか。
2.セミリタイア開始予定まであと10年以上の場合
後10年以上サラリーマンをしようとしている人であれば今希望退職に応じても、再就職が必要となるので、条件は吟味する必要があります。
この辺りは所属する企業の将来性や将来の昇給額を考慮して、再就職でより条件の良い企業に就職可能か転職活動して手ごたえを確認した上で、希望退職に応じるか決めることになると思います。
セミリタイアしたいくらいですから、労働にそれほど熱意を持っているとは思えないので、給料下がらなければ、そのまま残る方向で考えた方が良いと思います。
会社の人事部も意外と見る目がある企業が多いため、やる気のない人は見破ってきます。
そのため、余程専門的なスキルがあるか、素晴らしいキャリアを持っていなければセミリタイア希望者の再就職は苦戦すると思います。
仕事したくないオーラを隠すのは結構難しいです。
また、企業側の退職希望人数が集まらなかった場合、今度はリストラをしてくるかもしれないので、自分がリストラ対象になりそうだったら、希望退職に応じるのもありです。
解雇要件を満たさないとリストラするのも難しいので、しがみ付くだけしがみ付いてそのままリタイアするのもありかもしれません。
メンタルの強さ等、個々人の性格によって取る対応は変わってくると思いますが、多少条件が良い程度では、残った方が良いのではないかと思います。
3.それ以外の場合
一番悩ましいパターンがこれだと思います。
セミリタイアまで2~9年程度ある場合です。
2年程度であれば、1年程度の場合と同様に考えても良いかもしれません。
初年度は多少切り詰める等で対応可能なレベルだと思いますし、失業保険も貰えます。
希望退職に応じる場合は、失業保険の退職理由が会社都合退職になります。
自己都合退職で20年以上勤務の場合だと150日分しか保険料が支払われませんが、会社都合退職の場合、20年以上勤続で40~60歳であれば330日分の保険料が支払われるので、自己都合退職に比べて半年分は生活費が浮く計算ができます。
また、高給取りの場合は支給率が最大45~50%程度まで下がるので、実際の年収の半額程度で考えていた方が良いと思います。
3年目以降については、どの程度割り増し退職金が出るかによって残るか応じるかを選択することになるかと思います。
その場合は、以下のような感じでしょうか。
割り増し退職金が1000万円で、セミリタイア予定まで4年の場合は、生活費が年間250万円以内であれば、問題ないという風に考えるのではないかと思います。
終わりに
以上、希望退職が募集された場合を考えてみました。
私は、働いているうちはできるだけ資産を増やしておきたいと思うので、セミリタイア開始予定から1年くらいにならないと希望退職には応じないと思いますが、皆さんはどうでしょうか。
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