金利に釣って時間をかけて潰す恐ろしい通貨
普段はあまり取引しない通貨にトルコリラがあります。
高金利通貨として人気でスワップ狙いで購入されることが多い通貨です。
2023年5月12日時点で、1トルコリラ辺り6.85円辺りを推移していますので、レバレッジ25倍なら2,740円で取引できることになります。
スワップ金利はトルコの政策金利が8.5%に対して日本の金利が―0.1%となるので、差分は8.6%になります。
1万通貨トルコリラを購入すると、凡そ86円のスワップ金利が付くことになります。
2,740円で毎日86円のスワップ金利が貰えるとなれば、1カ月ちょっとで元の証拠金より金利が貰えることになります。
そんなこんなで「美味しい」と考える人がトルコリラを購入する訳です。
ただ私はこの高金利通貨のトルコリラに触れていません。
触れない理由はタダ1つ、約10年で通貨価値がほぼ10分の1に下がっているからです。
高金利に釣られてハイレバレッジで取引した人が破産したあまりに多かったのか、FX各社もトルコリラのレバレッジを最大25倍ではなく、10倍程度にしている会社が多いようです。
いくら金利が高くても、この綺麗な右肩下がりの下落に巻き込まれれば長期間持っていれば持っているだけ通貨価値が下がるため、為替差損がスワップによる収益を吹き飛ばしてしまいます。
レバレッジ10倍でも素人〇すには十分ですが、FX会社がレバレッジ倍率を規制するほどヤベェ通貨ということです。
10年前に54円で1万通貨トルコリラを購入した場合、現在の価値を1トルコリラ6.85円とすると471,500円の損失が発生していることになります。
10万通貨も買っていれば500万近い損失になりますし、買った後に最大レバレッジを小さくしたので、含み損に耐えてスワップを拾っていた人も大体刈られてしまったのではないでしょうか。
日本では銀行の金利がほとんどないので、代わりに高金利のトルコリラを買って寝かしておこうなんて考えた人は、ほぼ退場しているでしょうね。
ちなみに私が触る高金利通貨にメキシコペソがありますが、メキシコペソは10年前とそれほど通貨価値は変動していません。
トルコリラが50円以上あった2014年時点の通貨価値は1メキシコペソあたり8.5円程度なので、トルコリラに比べてどれほど変動が少ないかが分かるでしょう。
ギャンブラーが震える相場がもうすぐ始まります。
なんで急に普段は触らないトルコリラの話をし出したかと言えば、5月14日に大統領選挙があるからです。
2023年にトルコでは大地震があり、建物が軒並みペシャンコになった様子が報道されていましたが、大統領選挙を3カ月前倒しして5月14日に実施するようです。
トルコのエルドアン大統領は、2014年8月28日から大統領を務めていますが・・
丁度トルコリラが暴落しはじめた頃から大統領なんですよね。
実際、インフレ下で金利の引き下げを行うといった経済学のセオリーを無視した政策を行って更にインフレとなり国の経済はエライことになっています。
地震+経済的混乱で滅茶苦茶な国ですが、5月14日の大統領選挙で大統領が変われば潮目が変わる可能性があります。
エルドアン大統領は再選を目指していますが、野党の統一候補に支持率でリードされているという世論調査もあるので、これは・・もしかしてトルコリラの買い時か?とも考えています。
野党候補が勝利すれば一時的に通貨高になる可能性が高いので、5月12日にトルコリラを買って、5月15日に大統領選挙後の結果を見てから決済するという大統領選挙ギャンブルをするというのも楽しそうです。
ただ、誰が大統領になっても地震+経済的混乱で滅茶苦茶になった国を立て直すのは容易ではないため、やっぱり長期的に保有するのは危険な通貨だと思います。
一時的に低レバレッジでチャレンジしてみる程度に留めておけば、1通貨辺り7円程度なので致命傷にはならないため、それなりに期待値の高いギャンブルになるのではないでしょうか。
私の意見を記載したものですので、実際の投資は自己責任で行ってください。
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