こんなに動いたら普通に破産するわ。
最近メキシコペソの政策金利上昇とメキシコペソ円の投資について記事を書きました。
政策金利の上昇で金利がほぼ0に近い日本円より高金利通貨のペソが買われるので上昇する可能性が高いのではという話をしましたが、高金利通貨と一口に言っても「買ったら不味い通貨」はあります。
そんな買ったら不味い通貨の筆頭が、トルコリラです。
今日はトルコリラの話をしようと思います。
新興国通貨の長期ホールドは不味い
そもそも金利が高い通貨は資金が集まりにくい新興国の通貨である場合が多いです。
FXは通貨ペアで取引を行いますので、新興国とペアになる通貨は、ドルや円といった先進国の通貨になることが多いです。
新興国と新興国の通貨ペアもあるにはあるんでしょうが、FX会社が取り扱う通貨ペアは新興国と先進国の通貨ペアになります。
よく、「新興国の通貨は金利が高いので、外貨貯金して高金利を受け取ろう。」といった金融商品がありますが、貯金の形で新興国通貨を買うことはおススメしません。
何故なら、新興国通貨は日本円に対して長期的に下落しているからです。
今日話をするトルコリラも5年前は1トルコリラで40円程ありましたが、現在は7円を切っています。
5年前に100万円をトルコリラに変えて貯金をした場合を考えると、手数料等を考慮しなければ、5年前に100万円を2万5000トルコリラに変えて貯金することになります。
2016年から2021年までのトルコリラの金利は8%~24%くらいで動いていたため、平均して12%程度と考えて、5年複利計算すると2万5000トルコリラは4万4059トルコリラになります。
倍近くまで増えたため、とても増えたように見えますが円に換算すると30万8413円になります。
当初100万円貯金したことを考えれば、金利が高くても金利より為替差損が大きすぎて全く意味が無いことがわかります。
そのため、外貨貯金のように長期的な資金拘束を行うと損するようになっています。
これはトルコリラに限らず、レアルでもランドでもペソでも同じ傾向ですので新興国通貨自体が貯金のような長期的な保持には向いていません。
FXの取引でもトルコリラは不味い
FXの取引でもトルコリラは不味いです。
何が問題かというと政情が不安定であることと、独裁政権であるためか金利が大きく変動するためです。2021年8月時のトルコリラの金利は19%ありましたが、12月は14%になっています。
ほんの4カ月の間に5%も金利が動いており、世界的な金余りの状況とインフレの動きと逆行する形で金利引き下げを続けたので、対円でのトルコリラは8月には1トルコリラ12円程度ありましたが、12月19日時点では1トルコリラ6.92円まで下落しています。
FXで5円の変動はかなり大きな変動です。
特に新興国通貨の高金利を目的にトルコリラを長期的に買って持っている人にとっては場合によっては致命傷です。
例えば、100万円入金して1トルコリラ12円の時に20万トルコリラ買ったとします。
レバレッジがとりあえず安心な水準である2倍程度(2.4倍)で取引したとしても、7.4円の時にロスカットされてしまいます。
特に先週大きく動きました。12月13日の始値8.16円から12月17日の終値6.92円までマイナス15.24%、約120pipsのマイナスです。
これでスワップ目的で長期ホールドしていた人も7.4円のロスカットに引っかかって退場している可能性があります。
月曜日に列車に飛び込まれて、電車が止まっていないと良いのですが・・
まとめ
というわけで、長期保有にトルコリラが向いていないというお話でした。
長期的に下がるならトルコリラ売りで入れば儲かるのではと考える方も居るかもしれませんが、こちらもお勧めしません。
急に金利を上げたりして、急上昇する可能性があります。
実際2018年8月に17.75%だった金利が翌月には24%になったことがあります。
マイナススワップも大きいので、マイナスの金利で確定損失が積み上がっていくのに耐えられる精神力と、十分な証拠金があればトルコリラ円の売り取引も良いかもしれません。
ですが、とうとう1桁台まで下がってきてしまったので今から売りを入れてどこまで儲かるのかという問題もありますね。
やはりトルコリラは触らないことにしておいた方が良いと思います。
私の意見を記載したものですので、実際の投資は自己責任で行ってください。
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