FIREのREも定義が曖昧であるという地獄
昨日のテーマのFIREとは何か?の続きです。
先日はFIについて考えましたが、その続きです。
今日はFIREのうちREについて考え、FIREとはに結論を付けようと思います。
FIREのうち、FI(Financial Independence)は一旦結論付けられましたが、FIREとしてはまだ半分です。
次はRE(Retire Early)です。
こちらも人によって認識が違います。
人によっては「定年は65歳、なんなら70歳になるんだから60代は早期退職」だと言いますし、人によっては「50代、60代なんて遅すぎる。早期退職は30代から40代まででしょう。」という人も居るでしょう。
この辺りの認識の違いは早期退職を考える人の年齢によるのではないかと思います。
20代の人なら60代での退職はただの定年退職と何ら変わらないと考えるでしょうし、50代、60代ならまだ定年ではないから早期退職だと考えるでしょう。
20代から40代のFIREは年金受給までの期間が長いですし、時間が長ければ長いほど将来の変動リスクが大きいです。
50代の人は年金や残り時間を考えると50代でのFIREがベストと言いますし、私と同じ40代は好奇心や体の無理が効くのは40代までだから、好きなことをしたいのなら40代でのFIREがベストと言います。
何なら生涯現役なんだから死ぬ前に仕事を辞めていれば早期退職だと言い張る人もいるかもしれません。
つまるところ皆、ポジショントークをしているということです。
自分の立ち位置を置いておいて、冷静に考えれば一般的な定年前に退職するのが、早期退職と考えても良さそうです。
企業の早期退職制度を考えると、45歳から59歳くらいが早期退職でしょうか。
個人的にはリタイアから死ぬまでの期間と、年金の加入期間、将来の変動リスクを考えると50代くらいで早期退職するのが安心に感じますが、私は40代でのリタイアを想定しています。
これは単純に既に必要な資産は確保し終えていることと、私が50代までFIREするのを我慢できないからです。
そう考えると、やはりポジショントークですね。
皆、自分が辞める年齢でリタイアするそれらしい理由を語るのでしょう。
FIREの分類多さも認識を阻害する
FIREの分類が多すぎることも、FIREの認識を阻害します。
一般的にFIREと言えば、ファットFIRE、リーンFIRE、サイドFIRE、バリスタFIRE、コーストFIREの5つが有名です。
知らない人からすれば、「何で5つもあんねん」と突っ込みたくなります。
しかもファットとリーン以外のFIREは、仕事を辞めてすらいないのです。
知らない人からすれば、早期退職じゃねーのかと益々混乱するでしょう。
私もFIREはファットFIREとリーンFIREだけがFIREだと思います。
FIREは経済的自立と早期退職をうたっているので、生活費が足りないから労働で補いますという話では、FIREの経済的自立と早期退職を満たしているとは言えません。
とは言え困った問題があります。
ファットFIREやリーンFIREした人でも、FIER後に1mmも働かずに生活する人はまず居ないという問題です。
経済的な自立をしていて働く必要がない人でも、死ぬまで働かないという人は稀でしょう。
お金の問題だけではなく、何となく興味があったから始めたらビジネスになったという場合や、遊興費だけ少しバイトして稼ぐといった場合もあるでしょう。
資本主義の中で生活している訳ですから、生きている限りは働いていようが働いていなかろうがお金が絡んできます。
経済活動の中で一切稼がずに、消費だけし続けて生活するというのは困難だということです。
そもそもFIRE可能なくらいの資産を作れる人は優秀です。
人より稼げるからFIREできる資産が作れるのであって、そんな人がリタイアしたからと言って一切稼がずに生活できるのか。
難しいでしょう。
経済的自立を達成しても、資産の減少には恐怖感を感じるでしょうし、優秀なら怖いけど、このまま何も考えずに取り崩そうとは考えないはずです。
また趣味で始めたけど、意図せず儲かったという場合もあるでしょう。
働く気があったかなかったかは置いておいても、FIREした後でもお金を得る活動をする人は多いです。
ただフルタイムで働く人はいません。
また、誰かに雇われて働いている人もまずいません。
そういった意味では、FIREにおける早期退職の定義は、定年前にフルタイムで働いていないことと、継続的に雇われで働いていないことでしょうか。
終わりに
FIREについて改めて考えてみましたが、やはり曖昧で明確な定義がある言葉ではありませんね。
一応考えてみたFIREの定義をおさらいすると、FIREとは「資本主義社会が成立している近代国家の中でのみ実現可能な経済活動であり、生活レベルはその国の一般的な労働者と同程度の生活水準を生涯続けることが可能な資産を持っている状態」
といったところでしょうか。
これに加えて、「資産額は投資による運用を前提としつつ、組織に所属することなく、フルタイム以下の労働を行う場合がある。」と補記することになるでしょうね。
やっぱり曖昧な話で、何億あったらFIREとかそんな誰でも分かるスッキリした結論にはならないということは分かりました。
もうFIREの定義は、「その人の心の中にあります。」って宗教的な感じでも良い気もしてきました。
そのくらいは曖昧なものですね。
コメント
素晴らしい結論です、nekonabeさん。おはようございます、はしQです。当方はREしたくても、そこまでひどい社畜ではないので定年までたぶんやめないので、FIREは完結できませんが、FIRE宣言は個人判断だけど、ある程度の資産を増やす技術を身に着け死ぬまでの資金のあてがついていることぐらいが条件でしょうか。当方的には思い切りがつかないのはREの方で定職について定期的な賃金を確保しているのにそこを手放すことは非常に大変な決断です。お金はある程度あれば、生きていくだけなら何とかなることがほとんどかと思います。ですのでFIはあまり気にせずREに至ってるかどうかがFIREには重要な要素かと思います。40代でRE予定のnekonabeさんはすごいと思います。その後の資産状況によっては今あるスキルにさらに磨きをかけ、何があってもびくともしない資産家を目指して頑張ってください。ではまた
はしQさん、コメントありがとうございます。
働くのが苦痛でなければ、はしQさんのように定年間際まで働いていた方が間違いなく安定すると思います。
40代でリタイア予定なのは、私が我慢できないだけです。
リーマンショック級の暴落でも来ない限り、もう止まれませんよ。
もし来ても我慢できないと思います。FIRE直後に暴落が来なければ良しと考えると思います。
いや結構はっきりしてると思うぞ、年間生活費の25倍以上もっててそれをインデックスなど4%の利益が見込めるものに投資してるか、あるいは持ってなくても年金などが期待出来て死ぬまで持つことが計算できるかでしょ
じゆさん、コメントありがとうございます。
その生活費の25倍を4%で回すという前提がそもそもあやふやで人によって異なるので、FIREの理解を妨げているという話を前編でさせてもらっているので、よろしかったらご覧ください。
25倍も4%投資も年金額も、どれも一応実績値や年金定期便ではっきり出せるわけで本来あいまいさはほとんどないはずなんだが(子供がいる場合は別だが)、フリーランサーやフリーターがFIREを勝手に自称して屁理屈こねてるのが問題なだけで
じゆさん、コメントありがとうございます。
そうそれがはっきりしているのは、自分のことだけなんですよ。
個別にカスタマイズされまくっていて、FIREという言葉がどんな人にも納得できる明確な定義がないってことです。
FIREするのに他人は関係ありませんが、FIREという言葉を誰でも分かるように説明しようってことで書いています。
おはようございます。nekonebeさん。本日は社畜出勤のはしQです。
確かに定年までやめずに働いた方が安心感はありますが、逆に「何のためにそこまで働くのか」という疑問が渦巻き、厳しい社畜修行がいやになり「いつでもやめてやる」という気持ちと、定収なしの不安が交錯する毎日になります。当方は転職というアクションがあり運よくぼわっとしているレベルで何とかなる仕事なので、続けられますが。
ではまた
はしQさん、コメントありがとうございます。
何のために働くのかについては、資産があればあるほど感じますね。
5000万円くらいあれば、別に働かなくても良いんじゃないのかと思いますし、いつでも辞めれるとも思います。
そこからのアクションはその人の性格次第ですね。
石橋を叩いて渡るのか、叩いても渡らないのか、橋が無くても渡るのか