老後の金銭問題の陰に確実に居る「ノーマネー」で老後スタートの人々
老後2,000万円問題とか言われて久しいです。
これはリタイア後の老後30年で年金収入だけでは生活できずに、生活費のための取り崩しで2,000万円ほどの赤字が出ることを言います。
この話が出た際に非常に大きな社会問題になりましたが、その後ちゃんと計算したら年金だけで足りるという話が出たり、最近では2,000万円どころか4,000万円ないと足りない。
そんな「老後4,000万円問題」なんて話も出てきています。
インフレ率3.5%と年金の支払額が目減りすることにより4,000万円不足すると言うお話のようです。
少子高齢化でどんどん人口とGDPが減っていくこの国で、高インフレ率が持続して続くなんて考えるのはナンセンスだと思います。
年金は賦課方式を取っているので、現役世代の人口が減れば年金額が減るのは間違いないと思います。
ですが、これはあくまで「今の状態がこのまま続いて、年金額が目減りしたら」という前提で試算した不足金額です。
額はマチマチですが、大体一貫して「お金が足りない、足りない」と煽ってくる記事は多いです。
ネガティブな記事の方が読まれるからかもしれませんが、1億円あっても足りないとかとりあえず不安を煽れるだけ煽ってくるのが、今のこの国とメディアのやり方です。
誰も「老後に金なんかなくっても問題無いよ。」とは言ってくれません。
ですが、実態としてはお金が無くても生活できている人は結構いっぱい居ます。
確実にお金が無くても何とかなってしまっている人々が居るのですが、今日はこの「お金は無いけど何とか生活できている人たち」について考えてみようと思います。
お金ない老齢の世帯も多いけど、何とかなっている?
昨日、令和5年の家計の金融行動に関する世論調査を見ている時に思ったのですが、資産100万円以下の世帯というのは意外と多いです。
単身世帯全体でも約5割も居ます。
老後と呼ばれる60歳代、70歳代でもそれぞれ41.8%と32.5%です。
大体3人に1人くらいは、老後の資金がほぼゼロということです。
正直、老後に突入して資産100万円以下はかなりキツイです。
個人的には病気になったときも想定して最低300万円は持っておきたいところですが、70歳代でも300万円以下の世帯は40.9%も居ます。
ほぼ2世帯に1つの割合で資産ギリギリの生活をしているリタイア世帯が存在するってことですね。
これだけ高い割合でほとんどお金が無い世帯があるのに、老人が餓死したといったニュースがバンバン流れていたりはしません。
つまり・・
お金がなくても意外となんとかなっているのではないでしょうか?
将来の日本の老人の生活を想像してみる。
資産ゼロという訳ではありませんが、将来の日本の年金生活にそこそこ近いケースを見かけたので、もう少し老後の生活を想像してみます。
金融資産ゼロという訳ではありませんが、確認したケースは75歳、独居、リタイア前は年収500万円の社畜、資産は1,600万円という人です。
年金は厚生年金と国民年金のみで、月額8万円だそうです。
何で正社員の社畜で年収500万円あったのに年金が月8万円しかないのか謎ですが、将来的には100%年金は目減りするので、将来の年金額として考えるにはちょうど良いです。
資産が1,600万円もあるのは、恐らく現役時代の貯金と退職金でしょう。
一般的な中小企業の社畜がリタイアしたらこんな感じでしょうか。
この人は年金額が年に1,2回足りなくなることもあるけど、概ね「融通が効く程度には足りている」と感じているようです。
釣りや映画の趣味を満喫しつつ、食事を楽しんでいるようです。
リタイア生活は充実しているようですね。
年金8万円で生活費8~10万円で概ねトントンで生活できているので生活は成立しているのでしょう。
見た感じこの人は働いている訳では無さそうです。
この程度の金額でも、働かずにリタイア生活することが可能ということですね。
70歳代の就業率と資産ゼロ世帯を見ると、やはり何とかなりそうに見える。
このままインフレが行き過ぎなければ、一般的なリタイア世帯くらいの資産があれば、働かなくても何とかなりそうに見えます。
ただ資産がないと足りない分は、結局死ぬまで働いて補うことになりそうです。
実際65歳以上の就業率は右肩上がりです。
2010年時は70歳以上の就業率は12.8%でしたが、2020年は17.7%です。
徐々に上昇傾向ですね。
先ほどのケースでも月の生活費は8万円~10万円とかなりミニマムな生活費で慎ましい生活をしていましたし、老齢の世帯はかなり生活費をセーブした生活をしているのでしょう。
先ほどの生活の場合も月20万円で生活すれば、毎月12万円の取り崩しが必要になるので、9年ちょっとで資産が尽きます。
年を取ってから働くのはキツイので、必死に節約しているってことなんでしょうね。
そうは言っても70歳代の資産ゼロ世帯の割合に対して、就業率が低すぎます。
金が無かったとしても働かない。
「もう働くのは勘弁して」と思っている老人も多いってことですね。
それでも働かなくても何とかなっているみたいなので、金が無くてもどうとでも生活できるってことなんでしょうね。
コメント
nekonabeさん、おはようございます。本日の社畜土曜日勤務のはしQです。
確かに年金が月7万円で賃貸暮らしや切りつめ生活を送っていて、この物価高騰の中で苦労している話はニュースではよく見ます。だからと言って、大きな政治的な動きはなく過ぎていっていますから、ぎりぎりの中で、生きていけるのでしょう。(あくまでも大部分の方はですけど)
はしQなりの結論は、かなり恥を忍んで生きていくだけなら、心配はいらないけどできるだけ、幸せな生活を送るためにはせめて人並みの生活水準を保ちたい。そのためにFIを達成したい。ということかと思います。逆説的には、金融課税(保険料徴収)などのうわさにドキドキしたり、株価の乱高下にハラハラするのもある意味いい刺激です。なんてね・・ではまた
はしQさん、コメントありがとうございます。
ニュースも流石にもう生活できないってレベルの悲惨な生活は流さないみたいですね。
これって言うほどギリギリかって感じの生活も多いですけど、本当にギリギリっぽいなっていうのも多いです。
はしQさんの年齢と資産額だと逆に使い切れない可能性を心配するレベルだと思いますが、この辺りの生活レベルの感覚は人それぞれですね。
早期退職の場合は、普通のリタイアの年齢まで期間が長いので、社会保険料と年金保険料については戦々恐々とします。
それでも生活できなくなるレベルかって言われると、まぁなんとかなるやろと思うんですけどね。