最近、FIRE達成報告者が増えている気がする
最近の好調な相場を反映してFIREしている人が増えているような気がします。
FIREする場合、通常は目標金額に到達した場合か、FIREすると決めていた日時になったからFIREするという場合が多いでしょう。
最近増えているFIREのパターンは、相場が好調で目標金額に到達したのでFIREしたのでしょう。
目標金額のパターンは相場によってFIREする時期が前後します。
今のように相場が良い場合は、思いがけず目標に到達してリタイアすることができますが、相場が悪いといつまで経ってもリタイアできないのでモチベーションを保つことは難しいでしょう。
なかなか目標額に到達しないことに焦れてしまい、途中でサイドFIREに計画変更したりするケースもあります。
また金額ベースの場合はリタイア可能な金額に到達しても、即リタイアできない場合もあります。
One More Year症候群ってやつです。
金額で目標設定していてFIREしていない有名なパターンに絶対仕事辞めるマン氏が居ますが、彼がよくある例ですね。
1億円貯めたらリタイアすると決めてずっと節約生活してきて、めでたく1億円に到達しましたが、まだリタイアしていません。
私も当初はリタイアの目標を資金額にしていましたが、到達しても結局リタイアできず、別の条件を付けていってなかなかリタイアに踏み切れなかったので、途中でリタイア日時を決めてFIREする方針に変更しています。
金額だけ見ていると、日に日に増えていくのでリタイアを決めきれないこともありますが、リタイア時期を決めてリタイアする場合なら、リタイア日は日に日に減っていくので踏ん切りをつけやすいことがメリットになります。
デメリットはリタイア予定日の相場の状態が分からないということですね。
目標金額でFIREする場合は、相場が好調だから目標金額に到達するので相場は好調な時期にFIREできるでしょう。
ですが、リタイア日時を決める場合だと、リタイア時期が決まっていることがデメリットになります。
特に4%ルールが失敗する有名なパターンとして、リタイア当初に暴落が来た場合に成功確率が下がるため、相場の急落とリタイア予定日が重なってしまうとちょっと悲惨なことになります。
ただ、これはリタイアを開始後に即投資資金の取り崩しを始める場合であって、リタイアして数年分程度の生活費が準備できている場合は、預金から切り崩すことで4%ルールの失敗という状態は避けられると思います。
相場が良い時ほど失敗するケースを確認しておきたい
そんな相場が好調なため昨今増えているFIRE民ですが、今日はそうはならんやろというパターンのFIRE民を見たので、それについて語っていこうと思います。
1億円貯めて15年前にFIREした「68歳・貯金好きの元高収入サラリーマン」…「年金」を受給し始めたいま、自らの選択を大後悔しているワケという記事ですね。
記事では53歳で1億円以上の資産を作ってFIREした社畜です。
子供が独立したのを機に、53歳でFIREしたそうです。
FIRE当初は趣味のスキーのできる所へ引っ越して冬はスキー、夏は登山、そして近場の飲食店で観光客と豪遊していたようです。
それから12年経って、年金受給の65歳になった時にこの人は不安になったようです。
理由は資産額が6,000万円と思った以上に減っていた上に、年金の受給金額の低さに焦り、投資方法を信用を含めたハイリスク運用に切り替えて2,000万円の損失を出してしまったというのが、このお話の大枠になります。
参考にならな過ぎる、そうはならんやろ
この話を見て最初に思ったのが、「そうはならんやろ」です。
そうはならんと思うポイントは、65歳まで自分の資産額に無頓着という点です。
記事では1億円以上となっていましたが、仮に1億円として12年で4,000万円も使ったことになります。
単純に1億円から取り崩していったのであれば、1年333万円ほどですが文中に運用方法を切り替えたという表現があったため、リタイア開始時点から資産を運用していたはずです。
1億円を超える部分は生活防衛資金として取っておいたと仮定して、1億円を4%の利回りで回していたとすれば、毎月54万円の取り崩しをしていることになります。
ディフェンシブな運用をして2%で運用していた場合でも、12年後に6,000万円まで減らすには毎月41万円の取り崩しが必要です。
毎月40万円から50万円取り崩しておいて、年金受給まで自分の資産額を良く把握していないなんてことがあるのでしょうか。
これが普通のザルな家計なら分からなくもありませんが、家庭持ちで子供を育てつつ1億円作るような家計です。
リタイアしたからと言っても、急に資産に対して無頓着にはならんやろと思います。
最低でも1年に1回程度は資産の棚卸をして、支出額の見直しくらいするはずなのに一切せずに12年も遊び惚けてましたはありえません。
第2のそうはならんやろ
6,000万円まで資産を使いこんだ後に、急にハイリスク運用に切り替えるのもそうはならんやろと思う点です。
いつまでも通用する投資手法は無いので、どこかで投資手法の見直しは必要ですが、これまで資産を増やしてきた投資手法から急激に方針転換して2,000万円を溶かすなんて通常はありえません。
国債や社債といった安定的にリターンを得られる手法に切り替えて、支出をもっと抑えた生活をするというなら分かるんですが、資産が減ったからといって急にハイリスク、ハイリターンの投資に資産を全額切り替えるなんてことを富裕層まで行った人がやるとは考え辛いです。
ハイリスクな運用をするにしても、100万円、200万円程度の小資金で試してみて、全体資産の1割程度の資金で行うはずなんですが、3年で2,000万円溶かすくらいなので資産の大部分をハイリスクな投資に突っ込んでいたことになります。
株式投資をしていたようなので、信用全力で投資したのかもしれませんが、年平均10%のマイナスは下手過ぎです。
1年で止めておこうと思わなかったのでしょうか。
第3のそうはならんやろ
年金受給額についていざ貰う段階になってから、思ったより少ないと考えたのは年金定期便のトラップに引っかかったからだと思います。
50歳までは過去の加入履歴から年金額が算出されますが、50歳以降は60歳まで今の年金制度に加入し続けている前提の予定額が記載されています。
こうなると、53歳でリタイアする前に見た年金定期便は60歳まで厚生年金を支払っている前提の金額になっているので、思ったより少ないということもあるでしょう。
また、健康保険料や介護保険料といった税額分のマイナスを考えていなかった場合も考えられます。
まぁどっちにしても、あまりにお金に無頓着ですね。
これで1億円以上作れたというのですから、社畜時代は余程高給取りだったのでしょう。
あまり参考にはなりませんでしたが、資産が急減した時に新たな投資手法にチャレンジするという部分に関しては多少同意できそうなところもありました。
私も現状を打破しようとして新しいことを試してみたくなる可能性はあります。
ただ、歴史的に相場はいつかは戻るため下がった時こそ忍耐が必要になるんですが・・・
私はリタイア後に冷静に判断できるのか、それはリタイアして暴落を経験してみないと何とも言えませんね。
コメント
20年生きるとしても年金ゼロ円で年間300万円使えるのに何がそんなに不安になったんだろう?
じふさん、コメントありがとうございます。
FIREして労働収入がゼロになると、資産減少に恐怖を感じるという話はよく聞きますね。
取り崩しを想定して想定どおりの動きだったとしても減少したら、怖くなるのは分からなくもありません。
この記事の場合はまず無いと思いますけど。
こういう脳内妄想記事にまじになっちゃう人って・・・
あかいろさん、コメントありがとうございます。
こういう記事を取り上げているのはツッコミどころが満載だったことと、一種の思考実験のようなことも兼ねているからです。
自分だったらどうするかということを考えてみるのも重要ですよ。
nekonabeさん おはようございます。はしQです。今日も興味をそそられる記事でしたので。確かにこんなケースは考えられないケースですね。月30万年360万使って全く運用していなくても27年分ですから53歳FIREでも80歳までは、年金がなかったとしても暮らせます。想定できるのは、当方もあまり人のことは言えませんが、億り人になったのが資産がトントン拍子に増え、運よく達成し、子育ても終わったのをきっかけに仕事をやりたくないのでFIREに踏み切ったのでしょう。高給取りだと低賃金のバイトの選択肢はなく、運を信じて高リスクな信用取引や相場取引に騙されたのでしょう。こう考えると運がいいのも善し悪しですね。こうはならないよう、しっかりシミュレーションを続けます。ここ数日の株価高騰で思わずにっこりの毎日です。ではまた
はしQさん、コメントありがとうございます。
最近の株高でとうとうTOPIXも最高値を更新しましたね。
日経平均だと恩恵を受ける人は限定的になりがちですが、TOPIXが好調だとクソ株ホルダー以外には恩恵がありそうで更にFIERする人が増えそうです。
幻冬舎の記事じゃないですか
その時点で読む価値ゼロですね
資産を取り崩しているのに65歳になって6000万円になっていることに気づくなんてありえません
作り話でしょう
hogeさん、コメントありがとうございます。
うーん。やっぱり嘘くさいですよね。
稼ぐのはマグレで稼げることもあるでしょうが、資産形成にマグレはありませんからね。
1億作る過程で、家計のダメなところは修正されているはずですからね。