コロコロ変わるアメリカの社畜たちのトレンド
最近のアメリカでは「Big Stay」という状態になっているようです。
ビッグステイって何ぞやと思いますが、社畜に関するお話のようです。
2年前に比べて仕事を辞める人が少なくなったことを指して、ビッグステイと言っているようです。
去年の今頃は「Great Resignation」という退職ブームがあり、仕事を辞めるのはクールなことだという謎のムーブメントがありました。
今回は一転して、辞めたいけど辞めずに職場に留まっているようです。
去年と異なり、辞めずに留まることにしたようです。
アメリカの社畜の就業に関するトレンドは毎年コロコロ変わりますね。
実際、2022年はアメリカで「Quiet Quitting」が流行っているという話をしました。
こちらも留まる動きです。
2022年はQuiet Quittingで社畜に留まる、2023年はGreat Resignationで社畜を辞める、2024年はBig Stayで社畜に留まると、社畜に留まるブームと退職ブームが1年おきに起きています。
そうなると2025年は退職ブームでしょうか。
日本ではこういった退職ブームはあまり起きませんね。
我慢が美徳と考えられていることもあり、多少ブラック程度ではなかなか辞めません。
日本でも転職は珍しくなくなってきましたが、さすがに5社も6社も転職を続けていると、職歴が多すぎて人事も採用しなくなります。
そう考えると、日本はアメリカに比べれば退職のハードルは高いと言えるでしょうね。
その代わりに日本では昔から静かな退職は流行っています。
日本でも最近「静かな退職」として話題にあがりますが、日本の静かな退職に関しては社畜の合理的な行動であると私は考えています。
社畜が辞めないとインフレが落ち着くという不思議
ビッグステイでは辞めたくないから社畜を続けているというわけではなく、単純に求人が少ないから「辞めるに辞められない」という状況で同じ会社に留まっているようです。
社畜が嫌々でも同じ職場に残っているので、良い効果も出ているようです。
退職率が低くなると生産性が上がるそうです。
仕事に慣れた人が多くなるので、その分生産性が上がるのでしょうか。
日本は殆ど完全雇用といって良いほどの離職率ですが、生産性は低いと言われています。
日本の場合は長く居ても大して待遇が良くならないので、必要最低限以上に働かないように手を抜き始めるからだと思っています。
あまりにも長い間、同じ職場に居ると生産性は下がるのだと思いますが、少し残るだけなら全体の生産性は上がるようです。
居残り社畜達が生産を続けているので生産コストが下がり、人的コストがかからない分、企業は価格の上昇を抑えることができ、インフレが落ち着くという良い効果をもたらしているようです。
実際最近のアメリカのCPIは3%台で落ち着いてきました。
まさか社畜が辞めないことも原因の1つだとは思いませんでしたが、これは意外な結果です。
ホワイトだから辞めたくないって訳でもない
ただ辞めたくない程素晴らしい会社で働いているって訳ではなく、あくまで求人が無いから渋々働いているってだけで、今後求人が増えればまた退職者が増えるのでしょう。
明日(4月5日)はアメリカの失業率が発表されます。
前回は3.9%、予想は3.9%ですが、これがどうなりますかね?
求人が増えていればサッサと辞めて失業率が上がるでしょうし、求人が無ければビッグステイ継続でしょう。
失業率が上がれば消費も落ち込むので、さらにインフレは沈静化します。
経済学で言うところのフィリップス曲線ってやつですね。
インフレが早期に落ち着けば、FRBも利下げしようって考えるはずなので、投資にも影響が出てきます。
社畜の退職行動1つで、色々見えてくることはあります。
今は私も社畜なので、アメリカの退職ブームを興味をもって観察していますが、FIREした後も楽しめるかは疑問です。
FIRE後は完全に対岸の火事になりますからね。
社畜が辞めようが、そのまま残ろうが興味はなくなりそうです。
興味が無くなるだけなら良いのですが、投資がうまくいかなくなっても困るので、FIREしても社畜の動きには興味を持ち続けられるようにありたいものです。
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