中国のFIREを観察してみる。

パンダシリーズ カネに物言わせる セミリタイア
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中国でも日本と同様資産があればFIREできるらしい。

中国で資産6,000万円でFIREした夫婦の記事を見ました。
失業したDINKsの夫婦が6,000万円の資産があるので、働かないで暮らすとSNS上に動画を上げたことが話題になっているそうです。

とは言え、6,000万円作ってFIREした夫婦なんて、日本では特に珍しいことではありません。
流石に6,000万円の資産を作れる人が3人に1人といった高頻度で居るわけではありませんが、普通にYoutubeでFIREや、アーリーリタイアと入力して検索すれば、山ほど関連動画がヒットします。

Twitterでも「FIRE達成しました。」という呟きを見つけることは簡単でしょう。

【中国版FIRE】貯金6000万円で上海の30~40代夫婦が隠居、中国で大激論を呼んだ理由
中国で、ある夫婦が大きな話題になっている。43歳&33歳で仕事をやめ、あとは働かずに貯金で暮らしていくというのだ。このことに対して世論は賛否両論真っ二つ、ネットで議論が巻き起こっているという。いわば中国版のFIREといえる状況に対し、なぜ世...

日本ではブログでもYoutubeでも見れますが、中国のパターンは早々見れません。
今日は話題になった中国のFIREについて、思ったことを話そうと思います。

私の中国に対するFIREのイメージ

中国で共産党員のような特権階級か、国外脱出可能な富裕層以外の普通の人がFIREするのはハードルが高いイメージがあります。
働かずに暮らしたいという人が中国の共産党員になれるかは疑問ですが、特権階級や富裕層じゃないと無理というイメージです。

また、中国は家族主義的な社会で、 儒教思想で祖父母や父母の援助をしないといけないイメージがあります。
結婚したら、親兄弟の家族関係がくっついてきたみたいな話が出るほど、家族が密接に紐づいている社会なので、自分1人だけでFIREするというのは難しいと思っていました。

何しろ仕事をしていないのに、親兄弟に援助 (つまるところお金)を求められ続ければ、早々にFIRE卒業することになるでしょう。

自分の生活の面倒だけ見ていれば良いというわけで無いというイメージと、中国政府がタンビンについては苦言を呈していたことも中国ではFIREが難しいと思った理由です。
以前に中国のタンピン(寝そべり主義)について記事を書いています。

人間は働きたくないのが基本です。
タンピンとか麻雀みたいだな。 最近中国で社会的な競争を避けようとする「横たわり族」と呼ばれる20代、30代の若者が増えているというニュースを見ました。 彼ら彼女らは「躺平(タンピン)」と呼ばれ、中国語で「横たわる」という意味だそうです。躺平...

キリスト教は「労働=罰」という素晴らしい考えがありますが、アジアでは「労働=良いもの」と考えられがちです。
社畜なんて人生の罰ゲームくらいの認識で良いと思いますが、日本でも働くことは素晴らしいという論調になりがちです。

実際に憲法上で規定されている日本国民の三大義務は 「教育、納税、勤労の義務」です。
つまるところ、日本国民なら働けと書いています。

憲法27条
すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。

日本国憲法から引用

労働の権利とかノーサンキュウなんですが、義務とセットで権利でもあるようです。
税金を回収したい国には、休む義務とか、休日に仕事の連絡を受けない権利の方が必要だと思いますが、義務に対して権利がショボいです。

思ったよりFIREを邪魔されるような国では無いみたい。

6,000万円でFIREというのが話題になったのも、親族連中に集られる前提だと6,000万円じゃ足りないという話か、政府の方針に逆らっているからトンデモナイという反応かと思っていました。
ですが、記事を見る限りそうでもないようです。

夫婦の状態は、子供なし、住宅ローンも無し、6,000万円の資産は大部分が年利3~4%の定期預金と、一部投資で月20万円程度のインカムがあるという状況のようです。
日本でも定期預金の金利以外の条件を、投資等で補ってクリアできれば余裕で生活できそうです。

私の場合は住宅ローンを残した状態でリタイアする予定ですが、残債を差し引けば大体この夫妻と似たような資産状況でリタイアするでしょう。

日本では金利が中国ほど高くはないので、同じような利率を得ようとするなら投資が必須になりますが、中国では定期預金で年利4%がクリアできるようです。
口座にお金を入れておくだけでチャリンチャリン儲かるので羨ましくもありますが、日本もバブル崩壊までは4%程度の金利はついていたので、中国の金利が今の状態のままいつまでも続くという訳ではないと思います。

それよりもどんな相場でも年利4%は取れる投資テクニックを習得した方が対応力は高そうです。

今の中国はひと昔前の日本に似ている気がする。

夫婦の年齢も夫が43歳、妻が33歳とアーリーリタイアにしては若いですが、年齢的にはFIREしてもおかしくない年齢だと思います。

FIRE生活の動画が、SNS上で批判ばかりが集まっているかといえばそういう訳でもなく、日本でFIREした人に対する反応と殆ど変わらないようです。

FIREを達成した感想についても、日本でFIREをした人や、リタイアプログで語られている感想と大きな違いはありません。
「やっぱ働かないって最高やな。」といった感じです。

最近中国では、「新生児が少なすぎ、大学新卒が多すぎ、35歳で転職は高齢過ぎ、60歳定年は早すぎ」というフレーズが流行っているそうです。
このフレーズは一昔前の日本の状況と似ています。
今の日本の人口ボリュームゾーンは40代~70代です。
とにかくおっさん、おばさん、爺さん、婆さんが多い国です。

私の学生時代は生徒数は多かったですし、就職の時の新卒学生は多かったです。
採用を絞った上に、卒業生が多いので就職氷河期が地獄だったわけですが、新卒だけではなく、転職にも35歳限界説がありました。

やはり私が学生時代の時の日本に似ています。
隣国の日本で昔何があったか良く学習している中国からすれば、嫌な予感がするでしょう。
日本のように失われた30年がやってくるかもしれないと思うのも不思議なことではありません。

中国でも「転職しない、投資しない、消費しない、現金が一番」という考え方が一般的になれば、中国でも日本病が発病するかもしれません。
このまま中国が日本と同じ道を辿れば、株価は悲惨なことになるのでサッサと損切するべきですが・・強引な力業での方針変更もできる国なので、何とかしてしまいそうな気もします。

リタイア後に損切はキツイですが、もし同じ道を辿れば私が生きている間に株価の回復は無いということになる可能性もあるので、ポートフォリオの変更が必要でしょうね。

記事で取り上げられた人は、動画が有名になってインフルエンサーになるかと思いきや、SNSを止めて隠居してしまいました。
やはり有名になると、当局に潰される可能性があるから自分から引いたということなんでしょうね。
FIREしてからFIRE生活でマネタイズという訳にはいかないようです。
その辺りは日本とは異なるので、中国でFIREした先輩を探すのは大変そうです。

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コメント

  1. みんご より:

    あんたらがいつも間違っているのは金利4%を投資利益の4%と同等と思っていることだよ。金利4%上がるという事は物価はそれ以上に上がっているということになるので、なんの意味もないんだよ。一方普通の場合投資の利益は物価の利益を上回ることが歴史的事実としてある。

    • nekonabe より:

      みんごさん、コメントありがとうございます。
      日本は財産権があるので、まず没収はないですね。中国は土地所有権がないですが住宅用なら70年くらいは持てるので死ぬまでは住めそうです。
      中国のインフレ率はここ10年くらいは2%程度で推移しているので、金利の方が高いですね。
      上海の持ち家の生活費は19万程度なので、問題なく生活できそうです。

      • みんご より:

        それは今の中国が破たん寸前なので誰も元を持ちたがらないだけじゃないのか?

  2. みんご より:

    さらにいうと通常の共産主義は個人資産の所有を認めない。あくまでも資本主義国との国際競争に勝つために特殊な措置として個人資産の所有を認めているに過ぎないことだ。したがってそれらはいつでも政府に没収される可能性を秘めている。

  3. みんご より:

    日本でも政府は徴税権を持っているので国民の資産を没収することは理論的には可能である。しかしそれにはその政策を訴えて選挙で勝つというとてつもないハードルが課せられているため現実上無理である。

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