全然似てなくて草
フリーターブームと今のFIREブームが似ているという記事を見ました。
バブル終盤の1990年代にあったフリーターブームが今のFIREブームに似ているというという内容が書いてありましたが、何がフリーターブームと似ているのか疑問です。
組織に縛られない生活に憧れるという点を記事内で取り上げていましたが、それ以外の点はFIREブームとは似ても似つかないと思います。
そもそもフリーターが組織に縛られていないかについても疑問があります。
何時でも嫌になったらすぐに辞められる点で、フリーターも組織に縛られないと言えるかもしれませんが、働いている間は普通に組織に縛られているので、フリーターも組織に縛られていないとは思えません。
就社と呼ばれるほど拘束力が強い日本の就職に比べればフリーターの拘束力は弱いので、(実際は組織に縛られているけど、就職するよりは)組織に縛られない働き方なのかなと思います。
FIREブームとフリーターブームの違い
FIREブームとフリーターブームは全く似ていないと思う大きな理由は、将来の潰しが効くか効かないかと言うことです。
フリーターの場合、アルバイトや派遣や契約社員等の有期雇用契約で働くことになるので、あまり発展性がありません。正社員に比べて与えられる権限も限定的ですし、自分が働きたくても契約が更新されるかは雇用先の企業が判断するので、そのまま継続的に働きたい場合は正社員より組織に縛られていると言ってよいでしょう。
また、有期雇用契約から正社員になれる仕組みもありますがあまり適用されている事例が多く無く、長期間働いていても昇給が限定的なので、しがみ付いて言うことを聞いていても意味が無かったりします。
そういった意味でもフリーターになることにあまり意味はありません。
9時17時で働けない人がお小遣い程度を稼ぐのにちょこっと働くなら意味がありますが、生活費を1人で稼ごうとするのであれば、フリーターよりも正社員で働いた方が時間効率が良いと思います。
それに比べてFIREの場合は、実現に向けて行動すること自体に意味があります。
FIREする場合、25年分の生活費とそれを4%で運用可能な投資スキルが必要になります。
サイドFIRE等で25年分の生活費の資産を減額するように計画することも可能ですが、FIREは資産がほとんどない状態から急に始めるものではありません。
そのため、FIREブームが来たからといって「明日から即仕事を辞めて好きなことをしよう。」とはなりません。
資産が無ければ、収入を増やす努力をしたり、支出を減らすために節約します。
そして収入から生活費を除いたお金を投資に回して増やしていくことになります。
収入を増やそうとする行動も、支出を減らすために節約することも、投資のために勉強することも、全てやらないより、やった方が将来的にプラスになる行動です。
投資の勉強は経済や社会の仕組みについて興味を持つ切欠になりますし、株価や為替の動き、世界中で起きていることに興味を持つことは何らマイナスにはなりません。
このFIREに至る過程で、自分のFIRE適正も判断できます。
自分には向いていないと思えば、FIREできる資産が出来ても別に仕事を辞める必要はないですし、辞めたければそのまま計画通りにFIREすれば良いです。
FIREすることを止めたとしても、それまでに勉強したことは無駄にはなりませんし、節約や投資で増えたお金も当然無駄にはなりません。
FIREに向けて行動すること自体は何もデメリットがないし、行動することによって将来的に自分がやりたいことができる可能性を広げることになると思います。
そういった意味で、将来的にメリットが無いフリーターブームとは全く似ていないと思います。
また、FIRE後の運用計画も必ずしも安定している必要はありません。1年目は5%、2年目がマイナス10%、3年目が20%で平均5%でも問題もないですし、マイナスの時は投資以外での収入を得ようと行動すると思います。
恐慌期があったとしてもFIREに至る過程で学んだことが、資産を守るように自分の体を自動的に動かして対応してくれるはずです。
実際私も意識的に行動しなくても、投資した資産がマイナスになった月はほぼ無意識に支出を抑えるように行動して、普段の月より支出が少なくなります。
こういった反射的な動きは、FIREしていなくても給与が減った場合の行動にも適用されるので無駄にはならないと思います。
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