損益通算の対象範囲拡大
金融庁が8月31日に「令和4年度税制改正要望項目」を公開しました。
参考URL:金融庁の令和4年度税制改正要望について
そこで投資家からすると興味深い改正要望がありましたので、記事にしようと思います。
今回の税制改正の要望では有価証券市場デリバティブ取引の損益通算のみを対象とすることを要望としています。
証券・金融、商品を一括して取り扱う総合取引所が2020年7月に実現したことを踏まえ、投資家が多様な金融商品に投資しやすい環境の整備を図り、家計による成長資金の供給拡大等を促進する観点から、金融商品に係る損益通算範囲をデリバティブ取引・預貯金等にまで拡大すること。
金融庁「令和4年度税制改正要望項目」から引用
今回は商品先物とFXは要望に挙げられていませんが、今後段階的に対象を拡大していくことを検討するとしています。
私はあまり商品先物取引は行っていませんが、FXの取引は毎年行っています。
現状の制度では、FXの取引と先物の取引は損益通算できるようになっていますが、株式取引で収益が出て、FXで損失が出た場合は申告分離でそれぞれ個別に申告することになります。
つまり、株式取引の収益分の税金は20.315%取られて、FXの損失は株式の収益と損益通算できず、損失を3年間繰越することになります。
翌年以降にFXや先物取引で儲けが出れば、前年の損失と相殺できますが翌年も損失を出してしまうと損失が拡大していくことになり、3年経過すると損失の繰り越しも出来なくなるので、出来れば同じ年に損益を通算して株式取引の収益分とFXの損失を相殺できる方が望ましいです。
来年の税制改革ではFXはまだ入ってきそうでは無さそうですが、段階的に拡大となっているので来年以降は期待できそうです。
FXで収益が出た場合は、含み損を出している株式の損出しを年末に行うことで支払う税金を減らすことが出来るようになるので、是非とも損益通算できるようになってほしいものです。
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