逃げ切り計算機を使ってみる。
おそらくセミリタイアを目指す方が誰でも1度は使ってみたことがあるものとして「逃げ切り計算機」があると思います。
ご存じない方がいるかもしれないので、逃げ切り計算機とは何かを一言で説明すると、持っている資産を毎年いくら切り崩せば何年生活できるかという結果が表示される計算機です。
リンクフリーか特に記載されていませんでしたので、リンクは張りませんが、Googleで「逃げ切り計算機」と入力してググると1番上に出てくると思います。
入力欄は以下のような形です。
入力項目 | 概要 |
現在の年齢 | セミリタイアを目指す方は、セミリタイア予定の年齢を入力します。 単位:歳 |
現在の貯蓄額 | セミリタイア時の目標金額を入力します。 単位:万円 |
年間利息 | セミリタイアを目指す方は、投資運用の平均利益を厳しめに 見積もった方が良いかと思います。 単位:% |
年金支給開始までの年間支出額 | 年金の支給年齢までの年間支出額を入力します。 単位:万円 |
年金受給開始後からの年間支出額 | 年金支給後年齢からの年間支出額を入力します。 単位:万円 |
年金受給開始年齢 | 年金受給時期は65歳から70歳まで受け取り年齢を変更できますので 受給を予定する年齢を入力します。 単位:歳 |
受給年金の月額 | 受給予定の年金額を月額で入力します。 ここだけ月額なので注意です。 単位:万円 |
年間インフレ率 | 年間のインフレ率を入力します。 ここに入力した割合が年間支出額が増加します。 単位:% |
受給年金のインフレ連動 | 受給する年金がインフレ率と連動するかを選択します。 するか、しないかで選択します。 |
どれくらいの貯蓄額、支出額であればセミリタイア可能か。
逃げ切り計算機で、どれくらいの貯蓄額、支出額であればリタイア可能か確認してみようと思います。
貯蓄額、支出額以外の要素はできるだけ固定して計算したいので、以下の様に仮条件を設定しました。
入力項目 | 入力項目の仮条件 |
現在の年齢 | 私が40代でのセミリタイアを考えているので、中間の45歳としました。 |
年間利息 | 4%としました。 アメリカのS&Pの成長率7%からインフレ率3%を引いた所謂4%ルールを 前提としました。 |
年金受給開始年齢 | 現状65歳から受給できますが、今後60代での受給ができなくなる可能性が あるため70歳とします。 |
受給年金の月額 | 45歳で退職予定としたため、月額13万程度を予測します。 ですが、今後2割程度減額されると言われているため、20%削減して124.8万円です。 ここでは切りの良い10万円とします。 |
年間インフレ率 | 年間インフレ率は1%としました。 1980年代から2019年までのインフレ率を平均した値が0.56程度でしたので、 厳しめに倍程度で切りの良い形にしました。 |
受給年金のインフレ連動 | 現状の年金システムから考えてマクロ経済スライドが働くはずなので、 インフレ連動するはずですが、厳しめに考え「しない」を選択します。 |
パターン1:貯蓄8000万円、年間支出300万円
まず8000万円の資産で、毎年300万円使用する前提で計算してみます。
その結果、=>(利息320 支出300)=>46歳で8020万円=>(利息320 支出303)=>47歳で8037万円=>(利息320 支出306)=>(中略)=>52歳で8075万円=>(利息320 支出321)=>(中略)=>70歳で7087万円【年金受給開始】=>(利息280 支出384 年金120)=>71歳で7102万円=>(利息280 支出388 年金120)=>(中略)=>113歳で383万円=>(利息0 支出590 年金120)=>114歳で-86万円
という形で、113歳まで資金はショートしないようです。
興味深いのはリタイア初年度は年間利息より支出の方が少ないのですが、インフレ率の効果によって毎年支出が増えていき、52歳で支出が利息を上回り、113歳の時には支出が600万円近くまで上がることです。
今後もデフレで物価が上昇しない可能性もありますが、半世紀以上全く物価が上がらないということも無いと思います。
中央銀行も、政府もインフレにしようと財政政策や金融政策を行っていますし、効果が無いことも無いはずです。悪性インフレになる可能性もありますが、インフレにより投資の配当益と譲渡益も上昇するため相殺される前提で考えます。
パターン2:貯蓄6000万円、年間支出240万円
次に6000万円の資産で、毎年240万円使用する前提で計算してみます。
その結果、=>(利息240 支出240)=>46歳で6000万円=>(中略)=>70歳で4021万円【年金受給開始】=>(利息160 支出307 年金120)=>(中略)=>97歳で55万円=>(利息0 支出402 年金120)=>98歳で-227万円
97歳まで資金はショートしないようです。
パターン3:貯蓄5000万円、年間支出200万円
最後に5000万円の資産で、毎年200万円使用する前提で計算してみます。
その結果、=>(利息200 支出200)=>46歳で5000万円=>(利息200 支出202)=>47歳で4998万円=>(中略)=>69歳で3325万円=>(利息120 支出253)=>70歳で3191万円【年金受給開始】=>(利息120 支出256 年金120)=>(中略)=>98歳で430万円=>(利息0 支出338 年金120)=>99歳で211万円=>(利息0 支出342 年金120)=>100歳で-10万円
結果99歳まで資金はショートしないようです。
資産が1000万円少なくても、年間支出を切り詰めると資産寿命が延びることが分かります。
結論
というわけでセミリタイアに向けてのシミュレーションとして逃げ切り計算機を使用してみました。
使用してみた結論としては、やはり支出を削った方が少ない資産でリタイアするために重要であることが分かりました。
不定期な支出や収入を条件に追加できる「逃げ切り計算機2」もあるので、セミリタイアを目指す方は様々なパターンを検証して、ご自分がセミリタイア可能か検証してみてはいかがでしょうか。
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