FIREするアリは巣も拘りたい。
以前、私がFIRE生活で一番重要だと思っているのが、衣食住の「住」であるという話をしたことがあります。
この時は、都内で家賃が高騰しているというニュースを見て、買っておいて良かったわという話をしたのですが、また家に関する気になる話があったので、今日はそのお話をしようと思います。
FIRE生活で住むところは再重要です。
衣食住のうち、衣は何なら裸族でも良いので、外に買い物に行く時に捕まらない程度の服があれば良いです。
食も重要なんですが、住居に比べれば大したことはないと思います。
食事の時間なんて長くてもせいぜい1日2時間~3時間程度です。
毎日外で遊び歩く生活でもしない限り、残りの7/8は家の中で過ごす訳です。
食べなければそのまま逝ってしまいますが、その前に何か食べるでしょうし、FIRE後はそうそう頻繁に外食にも行かないでしょうから、食事中も家の中に居ることになります。
となれば、FIRE後四六時中居る住居は、一切の不満の無いものでなければならないと言うのが私の考え方です。
FIRE計画から住居費を逆算すると、住むエリアが限定される?
衣食住で住を重視するのは私の考えですが、他のFIREを目指す人やFIREした人も「住めれば何でも良いや。」と開き直ることは稀だと思います。
ホームレスになってもFIREしたと言い張る男という動画を見たことがありますが、流石に衣食住の住を完全に無くしてFIREした人は見たことがありません。
ここまでの人はさすがにフィクションですが、FIRE後に住む場所を家賃で決める人は結構多いと思います。
FIRE計画であらかじめ家賃は5万円以内とか決めている場合です。
というより殆どの人はFIRE計画で毎月使える予算を計算して、その予算内で住める家を探すと思います。
住むエリアに関してはそのエリアの家賃相場と予算が乖離し過ぎていなければ、自分が住みたいエリアから探すでしょうし、できるだけ広い所が良いと思えば郊外の家を探すでしょう。
そんな感じで、FIRE後は職場に行く必要も無いので自由に予算内で住める場所を決めるんですが、普通に資産を積み上げて5,000万円以上でFIREした場合はともかく、低資金FIREの場合は住む場所の選択もかなりシビアになります。
殆どの人にとって、家賃は生活費の中で最も高額な固定費でしょう。
東京の区部ならどんなに安くても4万円以上はかかりますし、金に糸目をつけなければ100万円を超える賃貸物件がいくつもあります。
セミリタイアのブログやYoutube動画を見ている限り、FIREしている人の中でも賃貸派は、おおよそ4万円~5万円の所に住んでいる人が多いようです。
低資金FIREの場合だと、家賃に4万円~5万円も支払っていられないので、これよりさらに家賃がお安いところに住みます。
1万円、もしくは1万円以下というかなりの激安物件を借りて住んでいる人も、珍しくありません。
誰も住みたい人が居ないから安いという事実
低資金FIREにしろ、それなりに資産を作ってFIREしたにしろFIRE計画で住居費を決めているわけですから、基本的にはその金額で納得済みなはずです。
ただ問題が1つあります。
それは賃貸需要によって家賃が決まるということです。
つまり、家賃が安いということは裏を返せば賃貸需要が無いから安いということです。
東京や大阪、名古屋、福岡といった大都市で築古で安いというなら、借りる人が周りに居ないから安いというよりは、建物がボロっちいから借りる人が少ないと考えられますが、地方で新しい物件なのに誰も借りる人が居なくて安いって場合は危険です。
それは借りようと思っている人すら居ないってことですからね。
人がほとんど住んでいないとろにリタイア後に住もうと考えているということです。
もちろん、FIRE後は田舎暮らしがしたいというのであれば、それはそれでOKですが、借りれる家賃相場が田舎にしかないというのであれば、それはFIRE後の不安要素になる可能性があります。
FIRE後に何もない所に住むリスク
特に田舎でやろうと思っていることが無いのに、FIRE後に田舎で暮らす場合、もっとも危険そうなのが、外に何も無さ過ぎて家から全く出なくなる可能性があることです。
ネトゲと漫画と動画の消化だけで暮らせるから住むところなんてどこでも良いという人も居るかもしれませんが、娯楽も何も無いから家から出ないという判断をFIRE後にしてしまうのは危険度が高いです。
引きこもりと同様、家から出ない暮らしを続けると外に出られなくなる可能性がありますし、買い物や病院に行く時に往復で何時間もかかるような場所では、出かける用事があっても億劫になってしまう可能性があります。
FIREした後は、意図的に外に出て動くようにしないと確実に運動不足になりますので、外に出たいと思えないような場所に住むとそれは将来の健康リスクになりそうです。
低資金FIREする人が住める所は消滅するかも
もちろん、その辺り諸々含めて覚悟して住むなら良いのですが、住んだ後しばらくしたら、住んでいる自治体自体が無くなってしまう可能性があります。
消滅可能性自治体の記事を見ましたが、消滅可能性がある自治体はいっぱいありますね。
全国1729市区町村の4割以上にあたる744の自治体がこれに当たるようです。
つまり低資金FIREしようと思っている人は、予算的に賃貸需要がない消滅可能性自治体に住む可能性が高いということです。
自分がいくら満足していても、一切の行政サービスがなければ生活の維持は難しいでしょう。
ガスは薪で良いし、電気はソーラー、水は井戸水で自給自足のFIREライフを送りますというならそれもアリですが、そこまでの覚悟でFIREする人なんてそれ程いないはずです。
そして家は長年住んでいると、愛着がわいてくるものです。
FIRE生活を始めた当初は別の場所に引っ越そうという気も起きると思いますが、長年住んでいると、その地域に愛着が出てきて引っ越す気も起きなくなるかもしれません。
そうなってしまうと、どんなに不便でも住み続ける選択をしてしまう可能性があります。
実際高齢者が不便な山の中に住んでいたりするのも、家の愛着からです。
低資金FIRE民の味方、大分県杵築市も消滅可能性自治体ですね。
うっかり10年、20年住んでしまうと、老人になった時に自治体そのものが無くなってしまうかもしれませんよ?
コメント