FIREする気も無い人のFIRE記事に物申す
FIREしてゆっくりしたいけど、FIREをするにはこんな懸念がありますよという記事を見ました。
この手の記事を見ると、目にタコができる程見てきた年間支出の25倍と4%ルールという話が書いてあり、年間支出の25倍の収入を得るためには節約が必要で、自己投資にかけるお金も削ってしまうから将来の可能性を狭めるよ。という論調で語られるケースが多い気がします。
で・・誰が書いているのかなと思って確認すると大体、株式会社○○の社長だったりします。
自己投資って何だ
社長業をしている人間からすれば、自己投資をして使える奴隷になってくれた方が嬉しいので自己投資を推奨するのは分かります。
ですがFIREしたいという人は、基本的に仕事がしたくない勢です。
実は仕事が嫌いな訳ではなく、毎日満員電車に乗って決まったところに時間通りに行って、上から命令されたことをやるのが嫌だということもありますが、結局は人の言うこと聞きたくない人達なので、社長業をやっている人の思う通りには動かないでしょう。
自己投資して様々な知見を持っていた方が人生の自由度が上がるというのも分からなくはありませんが、仕事したくない勢からすれば「そんなことよりも仕事をしない方が重要だ。」と考えているので自己投資云々の話しは左程重要な話とは捉えられないと思います。
この人自分でも書いていますが、FIREの目的は「自分の生活や家族との時間を優先したシンプルな暮らし」なので、その暮らしの実現に必要なことであれば節約生活をしていたとしても自己投資するでしょうし、仕事に必要なだけであれば1円たりとも自己投資しないでしょう。
そもそも自己投資は必ずしもお金がかかるわけではありません。
例えば、プログラミングがしたいというのであれば、Web上に学習に必要なノウハウが大量に存在しますし、学習するための環境もプログラム言語は大体オープンソースですし、動かす環境も自分が使っているPC上で0円で構築可能です。
プログラミング以外でも図書館で本を借りて読むのも自己投資です。
自己投資にお金がかかるという論調は異論を挟みたいところです。
所得が増えても生活水準は上がらない。
所得が増えれば生活水準が上がるのが当然という論調で語られることが多いのも社長が書くFIRE記事の特徴の1つです。
回りにいる社長業をやっている人のセレブ暮らしと比較して、コンプレックスになっているのか収入が上がれば、消費も増えて当たり前みたいな感覚を持っている人が多いように思います。
実際に私もFIREに向けて資産形成を続けていますが、別に所得が増えても生活水準は上がりません。
私はもう15年以上毎日家計簿を付けていますが、殆ど支出は増えていません。
日本では殆ど物価が上がっていないというのもありますが、物価が上がっても通信料を節約したりして結局大体毎年同じくらいの支出に納まっています。
所得が増えると生活水準が上がると言うのは、他人の生活水準と比べることが原因で起こるものだと思います。社畜の場合は、同僚の生活水準が比較対象になってしまうのではないでしょうか。
日本で同じ会社に居て、同じくらいの地位に居れば自ずと同じくらいの収入であることが多いので、「同僚の○○は家を買ったとか、車を買った。」とかそういう話を聞くと、無意識にでも自分も家や車を買えると刷り込まれてしまい、必要が無くても「そろそろ買うか。」とか判断してしまうので生活水準が上がってしまうのでしょう。
FIREしたい人からすると同僚が何を買ったとかその手の話は何の興味もない話で、 「そんなことよりも自分の資産を増やす方が重要だ。」 と考えるので、普段通り淡々と給与から生活費を除いた金額を投資に回すでしょう。
FIREしたい人は、他人が何を買ったという話より、自分の資産が順調に成長していることに喜びを感じます。
もし給与が上がって所得が増えたとしても、「やった!もっと投資に回す額が増えるぞ。」と思うだけで生活水準は給与が上がる前の水準が維持されるでしょう。
終わりに
社長業をやっている人が書くFIRE記事についての感想でした。
身も蓋も無い言い方をすると、「FIREしたくない人が書いたFIRE記事」というのが読んだ感想です。
FIREしたい人間の「仕事をしたくないエネルギー」を甘く見ている感があります。
社長業をやっているなら、従業員に仕事したくないと思われないように他にやることがあるだろうと思いますが、流行りだから書いたんだろうということにしようと思います。
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