リストラ大好き日系企業
洋服の青山で有名な青山商事(8219)が大規模なリストラを行いました。
ただでさえオフィスのカジュアル化でスーツ離れが進んでいたところに、コロナ禍の在宅勤務でさらに需要が無くなったので、リストラも当然と言えば当然のことかもしれません。
私の会社も内勤の人間はビジネスカジュアルな服装ならばOKなので、スーツの人間は少なくなってきました。
クリーニングに出したりしないといけないので管理が面倒なのと、休日着れるような服では無い上、毎日着るのでそれなりの数が必要で家の保管場所を圧迫して邪魔なことと、奴隷の首輪みたいなネクタイが嫌だったので個人的にはこの流れは歓迎すべきものです。
何を着ていくかあまり考えなくて済むのがメリットでしょうか。
最近は在宅勤務で部屋着が増えましたが、スーツは全く買っていませんので業績が低迷するのも致し方無しといったところでしょうか。
リストラ内容としては、全店の2割にあたる160店を閉鎖、残る約700店のうち約400店の売場を最大で半分に減らし、希望退職を400人募るというものでした。
募集した結果どうなったのか。
募集対象者は「21年3月31日時点で40歳以上63歳未満かつ勤続5年以上の正社員及び無期契約社員」で、退職日は5月31日に設定されていたようです。
結果的に募集400人に対して609人の応募があり、想定の1.5倍の応募があったようです。
希望退職について、以前記事を書いたことがありますが希望退職者の多さはその企業の先行きを悲観している従業員が多いからでしょう。
優遇される退職金等の手当てと、残った場合の処遇、企業の今後の先行きを総合的に判断して辞めるということになると思うので、募集の1.5倍も集まるということは、それだけ自分の会社の先行きが暗いと思っている人間が多いということでしょう。
青山商事の株価を確認してみる。
自分の企業の先行きといった場合、上場企業であれば判断材料の1つとして株価が使えます。
株価は現在の業績と将来の成長性を織り込みつつ株価が決定するため、素人判断で成長性の判断をして退職するよりも、株価を確認した方が正確な予想が出来るような気がします。
直近5年の青山商事の業績推移は以下の様になっています。
2016年3月 | 2017年3月 | 2018年3月 | 2019年3月 | 2020年3月 | |
売上高 | 240,224 | 252,777 | 254,846 | 250,300 | 217,696 |
営業利益 | 21,336 | 20,210 | 20,591 | 14,629 | 818 |
経常利益 | 21,639 | 21,084 | 21,311 | 15,611 | 1,530 |
2020年の営業利益の減少が凄まじいです。
21年3月期の売上も前期比60%程度でしたので、業績回復には程遠いようです。
株価は2020年11月に446円の底を付けて回復基調で現在818円まで回復しています。
ですが、2015年8月の高値5220円から約84%下落しています。
一時期株価10分の1の逆テンバガーも達成していて、投資家としては買いには行きたくない株ですね。
まとめ
上場企業には持株会が存在しますので、従業員の中にも自社の株式を購入している人がいたと思います。そういった従業員は株価も確認していたと思いますので、自社の株価の垂直落下を見て「これ潰れるんじゃ」と思ってもおかしくありません。
青山商事自体も自社のビジネスが、このままだと今後伸びていかないであろうことを承知しており、別業態への転換を進めているようです。
IRの事業計画上の移転計画を見る限り、紳士服店を削減して雑貨販売業(ダイソー)の店舗を増やそうとしているようです。
紳士服店はそれなりの店舗面積があるので、品揃えが良い100均になりそうです。
別業種への転換が順調に進んでいけば倒産はしなさそうですが、働いている従業員は今までやってきたことと全く別のことをすることになる可能性が高そうです。
40歳過ぎて今までやったことを無いことをするのも中々大変ですし、業績も株価も低迷となれば、希望退職に応募するのも「そりゃ逃げるよね」といった感じです。
コメント