静かな退職は日本社会と相性が良いスキーム
静かな退職という言葉を最近よく聞くようになってきました。
私は日本にはずーっと昔から静かな退職はあったと思っています。
窓際社員とか社内ニートとか言葉は違いますが、静かな退職と似たような言葉はありました。
似たような社員は昔から日本にはたくさんいたと思います。
釣りバカ日誌とかもゴリゴリの静かな退職ですよね。
釣りをするついでに社畜をしているといった感じです。
日本企業は給料が延々と上がらなくて、犯罪でも犯さない限りはそうそう懲戒解雇にもならないので、手を抜いてとりあえず社畜を続ける静かな退職とは相性が良い社会です。
経営者も何となく静かな退職をしている人が居ることは分かっているようで、何とか対応しているようですが・・・
個人的には意味のない話だと思います。
今日はそんな静かな退職をする人と経営者の無駄足掻きのお話です。
静かな退職は合理的な行動ですよ。
無駄足掻きと言いましたが、そもそも経営者はどうやって静かな退職をしている人とそうでない人を見分けるのでしょうか。
静かな退職の定義は、言われたことだけをこなし必要最低限の業務だけする人達のことを指します。
と言うことは、懲戒理由やマイナス査定されるような状態ではないということです。表向きは何の問題もありません。
小銭でプラスアルファの成果を欲しがる乞食経営者が大騒ぎしているということです。
日本は30年近く給料が上がっていません。
ここ何年も給料が上がっていないという社畜も多いでしょう。
給料が上がらないということは、その数年間の社畜の働きっぷりは1mmも評価されていないということです。
そうなれば、社畜は当然「働く時間と業務量を減らして、時間当たりの給料を増やそう。」と考えます。
超合理的な思考です。
そして無駄な仕事をそぎ落としていった結果「必要最低限の業務だけする」という形に落ち着きます。
だから、静かな退職は合理的な思考の結果そうなっているということです。
ここで上がりもしない給料のために労力を割くより、副業で毎年手取りを増やしている社畜も居るでしょう。
自分の頑張りで毎年、取り分が増える副業なら副業の方が面白いに決まっています。
会社を退職しても副業は自分のモノです。
経営者はこれを上回るメリットを仕事で提示しなければなりません。
対策としては簡単で、毎年給料を上げていれば良いのです。
1,000円、2,000円じゃ全然ダメダメです。
月1桁足りません。年間で数十万円程度の上昇がないとやる気にもならないでしょう。
経営者も恐らく分かっていると思います。
ですが、経営者はこれ以上金を払わずに奴隷どもを扱き使えないかな?と足掻きます。
ピントがズレている静かな退職対策
「静かな退職」どうなくす? 9割「働きがい」感じるタイミーの事例から分かることという記事を見ました。
「働きがい」とか、タイトルから既に香ばしい匂いがします。
そもそも静かな退職を100%無くすことはほぼ不可能です。
社畜達もわざわざ「私の仕事じゃないんで、これ以上はやりません。」とかハッキリ言いませんし、静かな退職をしているかを断定することはできないと思います。
また、業務時間内で必要な業務をこなしているなら文句も言い辛いでしょう。
文句を言われても「これ以上、何をしろと?」と思われるのがオチです。
だからこそ経営者は自主的に必要最低限以上の成果を出してもらえるように仕向けなければなりません。
その静かな退職の対応として何をしているかという記事なんですが、何か色々前置きが書いてありましたが、対応しているのは2つで表彰制度とフィードバックを重要視しているということだそうです。
表彰制度・・・
弊社にも小銭を貰った後、写真撮影してイントラに晒上げられる制度がありますが、アレでやる気になる人なんているんでしょうか?
別に「毎日出勤してエライ」とか言われるわけじゃーなくて、あくまで仕事に対して評価される制度でしょう。
そもそも表彰されるほど目立つ成果を立てる人が、静かな退職をしているわけがないので、静かな退職した人からすれば何ら関係ない意味のない制度ですね。
静かな退職をしている人はこれを横目に定時退社するでしょう。
フィードバックについても同様です。
あくまで評価は仕事に対してでしょうから、上司も必要最低限の仕事しかこなさない人を何とか褒めようと必死でしょうね。
この2つは予防的な措置でしかありません。
静かな退職を選択される前に、何とかヨイショしてやる気になってもらおう程度の制度です。
そして、静かな退職の原因はあくまで時間経過と共に発生する「合理的な行動」です。
社畜は何か使命感や目的を持って働いているわけではありません。
生活費のために働いているのです。
褒められようが、表彰されようが、仕事をする理由は「お金を貰う」ことでしかありません。
貰える金が増えなければ、時間が経てば誰しも多かれ少なかれ静かな退職をすることになります。
金を払わずに扱き使おうなんて考えていないで、どうにか払える給料を毎年毎年増やせるようにした方が余程、やる気になると思いますよ。
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