リタイア後の自由が不満に変わることなんてあるのか?

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FIRE=社畜のRTA?

FIREを達成したいという人は様々な理由があって、FIREを目指し、またはFIREを達成していると思います。
FIRE達成である程度再現性の高い状況を作り出すには、社畜暮らしで収入を得て生活しつつ、貯蓄と投資によって資産を積み上げる必要があります。

そんなわけで、働いて収入を得るという苦行が続くわけです。
積立する額は、「収入-生活費」になるので、安月給であればあるだけ、生活費が高ければ高いだけFIRE達成までには多くの時間がかかります。

私自身もFIREを目指して行動していますが、既に40歳になってしまいました。
大学卒業から20年近い時間をかけていることになります。
赤子が生まれてから成人するまでの時間を、社畜というクソゲーに費やしてしまっています。
FIREは社畜のRTA(リアルタイムアタック)みたいなものでしょうか。
できるだけ短時間で社畜というクソゲーをクリアする試みです。

私自身が本格的にFIREを考え始めたのは30代後半なので、FIREを考え始めてからまだ数年です。
まだ私自身がFIRE前なこともあり、FIRE後の生活に関しては美化しがちですが、少々気になる記事をみたので、今日はその話をしたいと思います。

FIREしたい理由は多くあれど、大別すると2つ

FIREしたい理由も様々あるでしょうが、大きなく分けると「働きたくない」か、「自由な時間が欲しい」の2つに大別されるのではないでしょうか。

2つは似て非なる理由です。
働けばいくらかお金を貰えます。
給料の中で生活する分には、生活に困ることもありません。
ですが、そんな生活は関係ねぇ、とにかくこの縛りから抜け出したい。
あらゆる理由に先立って、とにかく働きたくないという状況が「働きたくない」です。

自由な時間が欲しいという理由は、働きたくないに比べればいくらかマイルドです。
仕事が大好きではないでしょうが、仕事より優先したいことがあるんでしょう。
それが、趣味なのか、自分の事業といった副業なのかはその人によるんでしょうが、働きたくないに比べると、労働への忌避感はなく、仕事をする時間があるなら他の事がしたいだけという状況が「自由な時間が欲しい」でしょう。

後者の理由だと、バイト等の労働を挟むサイドFIREでも満足できることになります。
何しろやりたいことができる時間が確保できれば、残りの時間で仕事をしてもいい訳です。
そういった意味でも、自由な時間が欲しいと考えてFIREするタイプの人の方が、働きたくないと考えてFIREする人よりも、社会適合性がありそうです。

働きたくない人はFIRE向きか

そんな訳で、働きたくない人はFIRE後の生活がノープランだったりします。
何かがしたくてFIREをする訳ではありません。
働きたくないからFIREするんですから、当然と言えば当然です。

ノープランと言えども巷でよく言われる「今まで仕事をしていた時間をどうするんだ?持て余すぞ。」といった状態にはならないと思います。

時間は何もしなくても過ぎ去っていきます。
それはニートでも社長でも時間だけは平等です。
どこの誰にとっても1日は24時間で、1時間は60分です。

FIRE後にボーっとしていても、読書していても、動画を見ていても時間は過ぎ去ります。
何か価値のある時間の使い方をしないと嫌だという人は、FIREには向いていないでしょう。

暇な時間があっても、何となく時間が潰せてしまう人がFIREに向いています。
何となく時間が潰せてしまうので、持て余すといったこともありません。

そういった意味では何かがしたいからFIREする「自由な時間が欲しい」という人よりも、「働きたくない」人の方がFIRE向きな気がします。

自由時間が多いと生活満足度が減るらしい

私もFIRE後に明確にこれをやろうとか、これがやりたいといった計画はありません。
完全ノープランです。
何かやりたいことがあってFIREする。FIRE後は、毎日やろうと思っていたことばかりやってしまって飽きる。
飽きるとまた仕事がしたくなるといった。FIREした経営者みたいな状態にはまず100%なりません。

万が一でもきっとやらないだろうし、そもそもオカシイ。
出戻りするパターンとは言えないが、リタイア後に仕事に戻るパターンも確認しておく。 仕事が嫌で辞めてリタイアしたのに、また仕事を始めた理由を語る記事を見ました。 何というか、セミリタイアブログではあまり見ないケースです。大概のセミリタイアブロ...

という訳で私のFIRE後はノープランで時間はいっぱいある状態になります。
そんな中、研究結果で、「忙しい人」と「暇すぎる人」人生の幸福度はここまで違ったという記事を見ました。

「忙しい人」と「暇すぎる人」人生の幸福度はここまで違った:研究結果 | ライフハッカー・ジャパン
「自由な活動に使える時間が多くありすぎると、その活動を楽しめなくなる減衰効果が見られる」ことが研究でわかりました。適切な自由時間とはどのくらいの量なのでしょうか。

記事では自由時間には理想的な量があり、それが生活の満足度に直結しているらしいです。
自由時間なんてなんぼあっても良いと思いますが、理想的な量があるらしいです。

日常生活に最も満足している人は1日に2時間から5時間の自由時間を過ごしている一方、2時間未満の人はより多くのストレスを抱え、5時間以上の人は不満を抱えていることがわかりました。

「「忙しい人」と「暇すぎる人」人生の幸福度はここまで違った」から引用

1日2時間以上、5時間未満の自由時間が一番生活の満足度が高いらしいです。
まぁここまでは100歩譲って良いのですが、自由時間が5時間以上の人は不満を抱えているという結果には驚きました。

FIREしたら、確実に自由時間は1日5時間以上あります。
本当にそうであるなら、私もFIRE後は毎日不満を感じて残りの人生を送ることになります。

ジョジョ27巻_49ページから引用

自由時間が多くなると不満を感じるだと・・
意味が分かりませんが、自由時間という良いものが多すぎると、自由時間を特別なものとは感じられなくなり、適度な量であれば感じられたはずの喜びが感じられなくなるらしいです。

これはリタイアした人のブログでも語られていますが、仕事を辞めた後の喜びが時間が経つに従って減少していく現象でしょう。

研究結果に喧嘩を売りにいくセミリタイア
暇過ぎるとストレスになる? 暇過ぎるとストレスになるという研究結果があるようです。 社会人をしているとたまに「この人は何を生き急いでいるんだろう。」と思うほど常にセカセカ動いている人が居ます。そういう人は、少しの時間も無駄にしないように常に...

以前、暇過ぎるとそれがストレスになるという記事も書きましたが、自由時間が多すぎると生活の満足度が低下する理由はこの辺りにもあるのかもしれません。

不満があっても、自分から働こうとはならない

毎日やらなければならないことも無く自由にしていれば、良くも悪くも慣れるだろうとは思います。
それが満足なのか、不満なのか。

それは実際FIREしてみるまでは分からないでしょうが、「超不満。もう仕事したい。」とはならないのではと考えています。

何しろ不満であったとしても、自由時間はそこにあるのです。
自由時間を不自由な時間に作り変えて、また満足できるようにすることも可能でしょうが、不満を解消するためにまた働くかと言われれば、首を傾げてしまいます。

季節の風物詩を堪能しながら考えること。
3月は退職の季節 3月も終わりになってくると良くあるのが、「退職の挨拶」です。3月に限らず、辞めていく人はいっぱい居ますが、3月は年度末ということでそれなりに多くの人が退職していきます。定年退職する人も居ますが、大概そのまま嘱託再雇用の形で...

それよりは、自分の自由時間がいかに得難いものであるかを定期的に確認して、無職であることの自由を噛みしめながらリタイア生活を送っていきたいものです。

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