1度出すって言われた後、減らされると損した気がする。

おじさん ばんざい 時事ネタ
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補助金とプロスペクト理論

以前記事にした18歳以下への10万円給付金の条件が変更されました。

嫌だ嫌だとわめいていても、いざ決まると貰わずにはいられない。
経済対策と言う名のばら撒きが始まる。 衆議院選挙で大勝した自民党が早速経済対策を打つというニュースが出ていました。主に、18歳以下の人に一律10万円給付するという案で、対象は約2000万人、総額2兆円程度の予算規模になるそうです。 私は、増...

公明党の経済対策案を検討するという流れだったので、当然変更される可能性はあるはずですが、メディアが大々的に10万円給付が行われると報道したので、貰う前からガッカリな感じになっています。

自公「10万円給付」合意 所得制限は継続協議 - 日本経済新聞
自民、公明両党の幹事長は9日、国会内で会談し、経済対策の柱として18歳以下の子どもに10万円相当を給付する方針で合意した。年内に現金5万円を配り、残り5万円分を来春ごろに子育て関連に使途を限ったクーポンとして原則支給する。所得制限を設けるか...

給付金が貰えれば、今後支払う税金とかを考えなければ一応「得」しているはずですが、10万円貰えたはずなのに5万円しか貰えないとなった場合、損した気分になります。
これは、プロスペクト理論で説明できそうです。

プロスペクト理論
不確実性下における意思決定モデルの一つ。選択の結果得られる利益もしくは被る損害および、それら確率が既知の状況下において、人がどのような選択をするか記述するモデルである。
行動経済学における代表的な成果としてよく知られている。 期待効用仮説に対して、心理学に基づく現実的な理論として、1979年にダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーによって展開された。 カーネマンは2002年、ノーベル経済学賞を受賞している。

wikipedia「プロスペクト理論」から引用

何のこっちゃという感じですが、投資をしている人は一度は体験したことがあると思います。
プロスペクト理論の特徴は大きく2つあり、1つ目が「同じ金額でも利益と損失では感じ方が違う」もう1つが「損失領域の傾きはある時点を境に傾きが緩やかになる」ということです。

例えば、同じ100万円でも、利益の喜びより、損失の悲しみの方が大きい。というのが1つ目の特徴、損益ゼロから100万円の損失が出たときの悲しみより、追加で100万円の損失がでたときの悲しみの方が小さい。というのが2つ目の特徴です。

頭でっかちな学者が考えた理論にしては、人間の実際の心理に基づいた納得感のある理論です。

それを今回のケースに当てはめると、

  • ①10万円一律給付されると報道される。
  • ②年収960万円以下の人には給付しない。
  • ③5万円給付して、残りの5万円はクーポンで給付する。
  • ④18歳以上でも、厳しい経済状況にある学生に10万円を給付する。
  • ⑤住民税非課税世帯に10万円を給付する。

プロスペクト理論では、損失したときの悲しみは利益が出たときの喜びの2倍以上らしいです。
そうなると、①で10万円給付金が貰えるという報道は、10万円の含み益が出たことと、ほぼ同義だと思います。

その後、②で年収が960万円以下の場合は給付しないという報道がありました。
これで、実際はプラスマイナスゼロで損失はでていませんが、体感的には20万円以上の損失が出たのと同じ感覚を味わうことになります。
③に関しても5万円貰えますが、元々10万円貰えると聞いていたのに5万円に削減されたので、理論上は10万円以上損したと同じように感じる人が多いはずです。

5万円分のクーポンについては、考慮しません。
「入学・卒業シーズンにあわせて子育てに関連する商品やサービスを購入するための」クーポンらしいですが、どこまで汎用性があるのか分かりません。
18歳の子供がいる家庭に小学生向けのサービスのクーポンが配布されても無用の長物になる可能性が高いからです。使い勝手が良かったとしても現金以上ではないでしょう。

そうなると、18歳以下の子供がいる家庭(②、③のケース)は、貰える人も、貰えない人も損した感じがするということになります。
例外は④と⑤のケースです。
④の経済的に困窮している学生ですが、何をもって困窮しているのか不明です。
不明ですが、もともと貰えない人達だったので、10万円給付されることになったので普通に喜びを感じると思います。

⑤の住民税非課税世帯は特に18歳以下の子供がいるかどうかは関係ないので、独身でも受け取れます。
住民税非課税となると、独身なら大体年収100万円以下、家庭持ちで年収180万円くらいの世帯です。
あと、生活保護を受けている世帯が住民税非課税世帯にあたります。
こちらはクーポンとか無く、そのまま10万円の現金給付が行われます。

ただし、お金が無いと思われる住民税非課税世帯にも例外がいます。
リタイアした人たちです。
リタイアした後、働かないで資産収入と資産の取り崩しで生活している人たちです。

他に所得が無く、株式の配当を源泉徴収ありの口座で受け取って、確定申告を行っていなければセミリタイアした人も住民税非課税世帯になります。
たとえ、5億円の株式を持っていて配当利益4%で1600万円(税引き後)の配当金を受け取っていても住民税非課税世帯です。

④と⑤を見ると分かりますが、学生や生活保護世帯とほぼ働いていない人達が10万円を受給できます。
まさに、「働いたら負け」です。

ニュースサイトから引用

労働意欲がゴリゴリ削られて、より「早くセミリタイアしたい」と思いました。

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