FIREを阻む敵は多い
以前新NISA後に金融資産課税が起きるのではないかと考えて、FIRE後に金融資産課税された場合の影響について考えた記事を書きました。
想定したケースでは、増税によって11年の差が出ることが分かりましたが、今さらリタイアするのを止める気も無いので、行っちゃおうということで結論を出しています。
増税もFIRE計画に与えるダメージは深刻ですが、インフレもまたFIRE計画に与えるダメージは大きいです。
デフレ下でFIREした人がFIRE卒業にならないか心配になりますが、またFIREを思い留まりたくなるようなニュースがあったので、今日はそのお話をしようと思います。
そんな恐ろしいことを検討するな
FIREを阻む大きな問題になりそうなのは、厚生労働省が所得に応じて集める医療や介護保険料の算定に、株式の配当などの金融所得を反映する仕組みの検討を始めたというニュースを見たからです。
これはかなり大きな問題です。
特に給与所得が無いFIRE後の人に特に影響が大きいはずです。
FIREをしている人は特定口座で売買した株式のインカムゲインやキャピタルゲインで生活している場合が多いでしょう。
FIRE後にあまり株式の売買をしていなければ、確定申告をすると損することになるので、特定口座の源泉徴収だけで確定申告しないで済ませて生活している人も多いのではないでしょうか。
確定申告すれば損益通算ができますが、殆ど売買していなければ損益通算は意味がありません。
確定申告すると配当益と売買益に思いきり税金がかかるので、健康保険料や住民税を取られる方が損益通算するより損になるから確定申告しないという人も居るでしょう。
それが通用しなくなるように検討するらしいです。
これはFIRE後の生活の根幹を揺るがしかねない問題です。
確定申告不要のテクニックを使うことによって、住民税非課税、国民健康保険料は最安、国民年金は免除をしているFIRE民は多いでしょう。
これらクソ高税金3人衆を最低限に抑えることで、FIER後の生活費を節約していると思われるので、このテクニックを使えなくなれば、そのままFIRE後の生活費の高騰に直結するはずです。
退職後に一番頭が痛いのが健康保険料だけど、FIRE後も一番頭が痛い問題になりそう
今回ニュースになったのが一番凶悪な国民健康保険料であることも問題です。
国民健康保険料は自治体ごとに保険料が異なりますが、どの自治体に住んでいてもクソ高いです。
例えば、東京都港区在住の40歳の人の場合、500万の収入があれば年441,100円も保険料を取られます。
月36,758円ですよ。
高すぎます。
しかもこれ給与所得控除された状態なので、基礎控除しかない投資の利益の場合はこれより高くなります。
同じ500万円の場合、年608,900円です。
FIRE後に生活費プラスαの追加費用は痛すぎます。
配当益は総合課税で確定申告できるので、配当益の額によっては分離課税より得になる可能性もありますが、総合課税にしろ分離課税にしろこれまで殆ど払っていなかった状態に比べれば、かなり多い額を払うことになるでしょうね。
終わりに
ニュースの記事では、今は社畜の賃金だけで健康保険料を決めているけど、金融所得も反映するかもという恐ろしいことを語っています。
まぁこっちは実現しないと思いますね。
何しろ保険料が労使折半ですからね。
会社が個人の持ってる株の配当益にかかる保険料を折半して払うわけがありません。
となれば、日本でもバリスタFIREを目指す人が増えるかもしれませんね。
健康保険料を安くするために健康保険に入れる最低限だけ働くという形式です。
今後FIREしようとする人の難易度も跳ね上がりますね。
国は何が何でも国民を働かせたいようです。
生活の余裕なんぞ感じさせないという強い意志を感じますね。
正直、そんなに保険料絞り取ってくるなら、もう国民皆保険の仕組みも止めて民間の保険に任意で入る方がマシなんじゃないかって言う気がします。
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