節約にはじまり、節約したまま終わる
FIREしようと考えた時、多くの人はまず自分の所得と支出を把握することから始めると思います。
月々いくら給料を貰って、何にいくら使ったのか。
まずこれを確認しないことには、いくら投資に使えるかが分かりません。
ここで、投資に使えるお金が無いと考えた人は、節約を考えて月の支出を削減する方向に動くでしょうし、多めに貰っている人は余裕があるので余裕資金で投資を始めるでしょう。
余裕のある人でも投資を続けていると時価評価額を見て、入金力アップを考えるでしょうから、給料が高くても安くても結局は節約と投資がセットになると思います。
できた余剰資金を毎月S&P500かオルカンといったインデックスファンドに換えるのが、現状FIREしたい社畜が取るべき最適解ということになっています。
少額資産から大金まで増やしたタイプがFIREを語るとどうなる?
私は投信以外にも個別株取引もしますが、この辺は投資の開始時期に左右される気がします。
ここ何年か前から投資を始めたというキッズ達なら、インデックス投資が大正義だと思って淡々と積み立てるでしょう。
オッサンのように投資を始めた時に「良い投信」が無かった世代は個別株投資をしているというケースも多いはずです。
”仕事を続けながら10億円を築いたテンバガー投資家X氏が「投資で稼いでFIREを夢見る人」に警鐘 「本業の仕事は安易に手放すべきでない」、株式市場は“不確実性の塊”と強調”という記事を見ました。

5年8か月で運用資産561万円を10億円に増やした人の私見が書かれたものですが、この人は典型的な個別株で資産を作ってきた人です。
こういう人がFIREを語るとどうなるのかについて今日はお話しようと思います。
10億円持っていてもFIRE否定派
個別株取引で資産を作った人は、FIREには否定的みたいです。
仕事を辞めるなら、最低でも自分が定年まで働いて稼げるはずの生涯年収分ぐらいは用意してからでないと、安全とはいえません。僕自身、累計の株の利益が2億や3億になっても、それぐらいで仕事を辞めるなんてとても考えられません。10億ぐらいつくれたら、そのときやっと考え始めるぐらいの気持ちでいる
これは最早「仕事は辞めるな」と言っているのとほぼ同義です。
数億作らないとFIREなんてトンでもないらしいです。
記事内で書かれている株式投資で年1,000万円くらい稼げる人が専業になった時に余裕が無くなって勝てなくなったり、冷静な判断ができなくなるかもしれないというのは分かります。
給料という最低保証があるのと無いので判断力が変わるというのは十分あり得ます。
私もFIRE後に個別株を買っても、最悪ゼロになっても良いやくらいの金額しか買わないようにしています。
これも判断力が鈍るのが分かっているからです。
FXでもレバレッジのかけ過ぎで、ロスカットまで損切りできない人は山ほど居ます。
買った時に動悸がしたり、下がっているのを見ると落ち着かないなんてレベルの取引はFIREした後も、FIRE前もするべきではありません。
長期的には必ず上昇するという神話
市場の不確実性は確かにありますが・・・
インデックス投資家にはあんまり関係ないように思えます。
なぜならバイ&ホールドが原則だからです。
個別株投資のように細目に売ったり、買ったりすることがありません。
インデックス投資家も相場が不確実な物であるという理解程度はしているでしょうが、経済は成長するという神話も同じくらい信じているでしょう。
下がったとしても時間をかけて元に戻り上昇していくと考え、長期間投資していれば4%以上の利益は必ず得られると考えて投資しているのがインデックス投資家です。
インデックス投資家は世界中の名だたる企業達が揃って潰れる可能性より、自分のいる会社が潰れる可能性の方が遥かに高いと考えているはずです。
更に言うなら、会社が存続しているよりも自分自身がこの先定年まで働き続けられる確率の方が遥かに低いですからね。
アメリカの大企業>自分所属している会社>自分自身の順です。
これを考えると、自分自信が働き続けることにあまり意味を見出せないでしょう。
それがFIREする時の資産額にも表れていると思います。
インデックス投資家で数億作らないとFIREできないなんて言う人はまず居ませんからね。
節約と積立投資で資産を作り、FIRE後は生活水準を上げない。
このルールで問題なく辞められる金額を算出してFIREしていきます。
市場は不確実であることは理解しつつ、長期的には上昇していく。
この前提があるからこそ、インデックス投資家は早々にFIREできるのだと思います。


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