私の意見を記載したものですので、実際の投資は自己責任で行ってください。
日本航空の株価について
2020年11月9日に2012年の再上場からの上場来安値を更新し、一時1556円を付けた後、1641円で引けています。11月6日引け後に、国内外で9086万株の公募増資およびオーバーアロットメントによる売出しに対応した第三者割当増資913万株を実施すると発表したことが影響していると考えられます。この資金調達によって、四季報で確認可能な発行済み株式数が337,143千株であるため、株式数は約30%増加することになります。
転載チャートは全てTradingView提供のチャートになります。
公募増資は、時価を基準にした価格で新株式を発行するのでかなり供給過剰な状態になると思われます。最近ANAホールディングス(9202)でも似たような話がありました。2020年9月25日の日経新聞でANA、2000億円規模の公募増資検討という記事が出たことがあります。
ANAホールデングのIRでは特にこういった情報ありませんので、噂レベルですがこの時に株価は約7.4%下がっています。
9月25日の引け後に出たニュースで週明けの25日終値と28日始値の差は-199.5円、7.39%のマイナスとなりその後も下落が続いています。ANAも日本航空も同様に窓開けで下げていることに変わりがありませんが日本航空は-25円、1.21%のマイナスであるためこの差は報道によるものと考えられます。
コロナ禍で航空機がほとんど飛んでいないので株価が冴えないのは当然ですが、決算が悪いことが織り込み済みであったため、10月の決算発表後の下落は限定的でした。
日本航空の10月決算はアナリスト予想より悪かったにも関わらずです。
日本航空 (9201) は2020年11月現在買いか?
ANAの場合と異なり、日本航空の場合はIRでも新株式発行及び株式売出しに関するお知らせとして報道しているため事実です。約30%の株式が増加した場合、単純に30%下げると考えると、11月9日の終値からですと株価は1150円位まで下落することになります。
資金調達の理由も、自己資本の減少による財務体質の悪化が避けられない状況であるため資金調達するという内容ですので、市場もネガティブに捉えると考えられます。
マネーフォワードが2018年に設備投資を目的として新株発行による増資を実施しています。その際は240万株新規発行しました、発行済み株式が約1930万株でしたので、新株発行数の割合は約12.4%です。
その際の株価は、発表があった2018年12月5日終値で4190円、発行株式数が確定した12月18日の終値で2700円でしたので、マイナス1490円(-35.56%)の下落が発生しました。
一時的な下落はありましたが、その後マネーフォワードの株価は2020年11月9日の終値で10200円まで上昇していますので、投資は成功したとみて良いでしょう。
日本航空については今回の報道が無ければ悪材料出尽くしで買いかと考えていましたが、報道後の情報を見る限りは現状今すぐ日本航空買う理由は見当たりません。今後資金が必要になるため先行して資金調達を行っていると好意的に考えることもできますが、形振り構わず資金調達しているようにも見えますので、日本航空を買う場合は、上場来安値をどこまで更新するか見極めて購入することになると思います。
長期的にみれば、現在の状態がこの先何年も続くとは考えにくいため、年単位の保有を考えた場合、日本航空は買いであると考えています。1500円を割るようなことがあれば、航空機需要回復まで持つことを前提に一寸づつ買おうと思います。
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