みんなの幻想「お金持ち=富裕層」
つい最近、MRIから純金融資産額のピラミッドが発表されました。
FIREを目指している人や、FIRE済みの人は見ることが多い図表の1つです。
FIREする人は何を見ているのか?
勿論、全体の傾向を確認することもあるでしょうが、富裕層、超富裕層がどれくらい増加したのかを確認するために見る人も多いのではないでしょうか。

富裕層が1つの基準となる理由は、人々のイメージとして1億円以上の金融資産を持つ富裕層から「お金持ち」というイメージを持つ人が多いからかもしれません。
FIREを目指している人なら、自分の資産クラスの1個上を見る人が多いのではないでしょうか。
アッパーマス層なら準富裕層、準富裕層なら富裕層といった感じです。
見方は色々ですが、FIREに興味がないマス層はきっとこのピラミッドを見ないでしょうね。
見ても自分が底辺であることを実感するだけです。
このピラミッドを見る人はアッパーマス層以上の人が多いはずです。
アッパーマス層に居れば、少なくとも上位2割に入りますから、上を見るモチベーションも湧くでしょう。
多数の貧乏人と、少数の金持ちという資本主義のリアルをこれでもかと見せつけてくるのが、このピラミッドです。
この前、このピラミッドについてはお話したので、今日は「FIREと富裕層」についてお話しようと思います。
フルFIREを目指す人は富裕層を目標にする
FIREを目指す過程において、富裕層というのは最初の目標になると思います。
最近は最初から3,000万円とか、5,000万円という人も居ますが、これはサイドFIRE狙いだと思います。

フルFIREを目指す人であれば、最初の目標は富裕層入りしてFIREするのが目標になるでしょう。
具体的には1億円です。
1億円以上、5億円未満が富裕層の定義ですが、FIREする際に3億円目指すとか、4億円目指すという人は居ないと思います。
偶に「FIREするなら4億円はないと」とか言う阿呆が居ますが、実現性を考えたら1億円が目標になります。
これは社畜には目標が遠くて、余りにも途方もない道のりだからです。
社畜で4億円は無理ゲーの域です。
無理では無くても限りなく定年に近い年齢まで働くことになるでしょうから、何時まで経ってもFIREできません。
そこで何とか達成可能そうな1億円を目標に蓄財からスタートする人が多数派のはずです。
目標に近づくと気付く圧倒的な誘惑
フルFIREで1億円を目標にする人が多いのは先に述べたとおりですが、実際目指すと、目標到達前にFIREする人が多数派になります。
それは何故か?
理由はいくつかあります。
まず4%ルールの問題があります。
自分の生活支出の25年分の資産を作ってFIREするのですが、この自分の生活支出が問題になります。
FIREを目指した当初は散財している人でも、FIREを目指す過程で家計はシェイプアップされていきます。
シェイプアップされた家計を見ながら、FIRE計画を修正していくことになるという訳です。
そしてFIRE計画を見直して気づきます。
「あれ?フルFIREするにしても1億円もいらなくねぇ?」と
生活費が月15万円であれば4,500万円、月20万円であれば6,000万円、月25万円であれば7,500万円、月30万円であれば9,000万円です。
5万円増えるごとに1,500万円必要資金が増えていきます。
当然生活費を減らせば、必要資産は減っていきます。
4%ルールで1億円を超えるためには、月の生活費が約34万円かかる計算です。
この生活費はFIREを目指している人の中では少数派でしょう。
支出を削って投資に回すというサイクルが必要になる関係上、意図せずこれより少なくなるはずです。
家庭持ちでも30万円あれば十分生活できるでしょう。
そのため、富裕層入りを目標にしていた人たちは自然と準富裕層でFIREすることになるという訳です。
目の前の仕事が嫌過ぎてリタイア時期を前倒す
そしてもう1つの理由が心理的に我慢できないってことです。
つまり、仕事辞めたいってことですね。
FIREしようなんて人は、どんな理由があろうが基本的に仕事が嫌いなはずです。会社が嫌いなのかもしれませんが、何にせよ嫌だからFIREしたいはずです。
FIREする目標を1億円にしていたとしても、年を取れば取るほど年々仕事はシンドくなってきます。
そして、FIREの目標額の計算のベースは、自分の生活費です。
つまり、自分で切り詰めることでゴールを大きく動かせてしまうのです。
月25万円の生活費の人が、月20万円で生活する前提に計画を見直せば、それだけでゴールが1,500万円も前倒しになります。
そうやってゴールを動かしてしまうことで、当初の1億円という目標は無かったことになってしまうでしょう。
富裕層になったら、今度は落ちたくないと言う罠
富裕層になるまでFIREを我慢できない理由を書いていきました。
勿論、1億円以上になるまでFIREしない人も居ます。

絶対仕事辞めるマン氏がそれに当たりますね。
ただ、絶対仕事辞めるマン氏もそうですが、富裕層になったらなったで、今度はFIREできないという罠が存在します。
富裕層に到達したら、今度は富裕層から準富裕層に落ちたくないので「もうちょっと働こう」といった考えに陥りやすくなるように思えます。
私は富裕層に辿り着く前にFIREしますが、この富裕層の罠にかかりたくないと言う理由もあります。
お金大好きなので、富裕層になったら確実に富裕層から落ちたくないと思ってしまいそうです。
富裕層に到達するなら、働き続けるという選択肢のないFIRE後に辿り着きたいものです。
私も富裕層まで遠くないので、今の好調な相場が続けばそう時間をかけずに到達すると思いますが、富裕層入りはFIRE後のお楽しみにしようと思います。
コメント
nekonabeさん おはようございます。はしQです。確かにこのピラミッドは一つの目安ですが、どう躓いても、もっと少ない金額で月給なしでも暮らして行けることに「計算上」気が付けます。ものすごい悲観シナリオでも、何とかなることが証明できますがそれでも突然の想定外の事象が現れたらみたいな疑心暗鬼にかられるため、なかなか定職をやめられなくなってしますのもよくわかります。当方のように、年齢的に定年退職=年金生活突入になると、ルーティンに乗ったほうが波風立てることもなく面倒な手続きもないのでREはしません。なので大台前後でFIREする人の条件は
1:準富裕層に到達し、RE後の収支計算がが間違いなく90歳ぐらいまで計画で来ていること。
2:少なくとも強制退職まで10年以上あること
3:社畜の安定的な生活<FIRE後の不安定な生活
これぐらいでしょうか。ですので、nekonabeさんの説通り、大台に乗ることは1の条件の1要素でしかないので、オートマチックにFIREしない事例が多くなりがちと思います。・・少し高みからの発言でしたか・・ではまた
はしQさん、コメントありがとうございます。
疑心暗鬼はあると思います。
私も色々考えてFIRE時期を引き延ばしてしまいましたので、病気になりそうなくらいブラックでもなければズルズル社畜を続けてしまいがちになると思います。
やはりFIREには思い切りが必要ですね。
目標達成したからすぐ辞めようとは早々ならないと思います。
こんばんは仙堂です。
超富裕層と富裕層が全世帯の約2.7%ということは、満員電車の1両に1人か2人乗ってるってことになりますね。(富裕層が電車に乗るかどうかという問題はさておいて)そして超富裕層は1編成に一人か。
基本となる日々の生活費の計算を「普通に暮らしていてどれだけ使っているか」から計算しました。節約して生活費を削った額だと、そのレベルを維持するのがしんどいからです。
仙堂智隆さん、コメントありがとうございます。
富裕層でも電車のるんじゃないですかね。
私がこのまま富裕層になっても電車とバスで移動しますよ。
タクシーは成金の乗り物ですw
多分超富裕層になってもマイカーとかタクシーは使わないと思います。
節約生活が染みついてしまっているので、多分使えませんね。
というより節約しているという意識すらなく自然と使わないので、生活費が抑えられているのかもしれません。