仕事でやったら確実に後で怒られそうな話
タスクと締め切りの設定の関係について調べた研究で、「人に何かを依頼をする際、締め切りを設定しない方がより早く確実にやってもらえる」ということが分かったそうです。
「嘘くせー!」というのがこれを見た時の第一声です。
そもそも、締め切りが設定されているのは仕事であることが多いと思います。
私も、部下や同僚に仕事を頼む際は必ず期限を設定します。
1か月後までにやってとか言うと確実に放置されるので、ボリュームがある作業でも1週間に1度程度締め切りを作って進捗を確認します。
これまでの経験からそうしておかないと、いつまでたっても完了しません。
私の感覚では、「締め切りを設定しないと、ずっと放置されていつまでたってもやってもらえない。」というのが日本で社畜として働いている私の感覚です。
研究はどんな形で行ったのか。
締め切りを設定しない方がより早く確実にやってもらえるという研究ですが、どういった方法でこの結論に至ったんでしょうか。
記事を確認すると、以下のように行ったようです。
ニュージーランドの選挙人名簿から無作為に選んだ約3000人に対して、オンラインでのアンケートに協力するよう依頼する方法を取りました。
アンケートに回答するとニュージーランドの慈善団体に10ドルが支払われるとされていて、それぞれ期限が分かれていました。
期限は「1週間」「1カ月」「期限の設定なし」の3つでそれぞれ実験されました。
その結果、「期限の設定なし」、「1週間」、「1カ月」の順番で回答率が高くなったそうです。
どうでも良い事なら期限が無い方が良い。
研究結果を見て思ったのは、「別にやってもやらなくても良い事だったら、期限を設けない方が遣って貰える可能性が上がる。」と読めました。
自分に報酬が出るならまた違う結果になりそうですが、慈善団体に寄付されるだけなので直接的に回答者に報酬が支払われるわけではありません。
直接的な利害関係者が集まっている職場で、締め切りを設定しないで依頼すると駄目そうです。
なぜなら、通常の仕事では締め切りが設定された仕事が次々に入ってくるからです。
当初何もない状態から、期限が設定されていないA作業だけ依頼されている状況であれば、A作業だけ行えますが、日本の社畜の場合、色々な仕事を並行で進めるケースが多いです。
そのため、A作業中に、全く別の期限が来週までのB作業が入って来たりするケースが多いです。
そうなると、A作業は「また暇な時にやろう。」と後回しにされます。
そしてB作業を優先して進めますが、突然「週末までにC作業をやってくれ。」と依頼されたりして、B作業の優先度を下げて、C作業を突貫で進めることになります。
こうなると、A作業は既に忘却の彼方です。
そんなこんなで毎日働いていると、「期限が設けられていない作業」はずっと完成することはありません。
まさに「永久に依頼されておくだけだぞ。」の状態です。
こうなると、退職時の引継ぎ内容に含めておけば良いかと思ってしまうレベルです。
つまり私だったら・・・「例え暇だったとしてもやらない」
ニュージーランドの研究者は、この研究結果を見て私とは別の感想をもったようです。
期限を明示しないことで、かえって『いつかは締め切られるはずだ』ということが意識された可能性がある。
「人に頼み事をする際は「締め切りを決めない方がいい」ことが判明」から引用
期限を長く取ると、依頼を忘れるはそのとおりだと思いますが、期限が無いと「いつか締め切りを設定されるはず。」 と感じるらしいです。
別に締め切りが設定されてから、優先度を決めれば良いと思います。
自分で依頼する時に、締め切り設定無しで依頼してみようとは思えません。
締め切り無しで依頼を出して、前日に「あの仕事明日までな!」とか言ったら完全にパワハラです。
確実に「お前いつでも良いって言ったじゃねーか!」と反発されるでしょう。
そんなわけで、「締め切りを設定しないで仕事を依頼した方が早くやってもらえるかも」とか思わない方が良いですよ。という話でした。
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