退職する時に第三者を挟むという謎
以前、そろそろ会社に辞意を伝えようと思っていた時期に退職代行サービスと退職代行のサブスクが登場したことについて記事にしたことがあります。

私は退職代行サービスについては否定派です。
これは何も今まで働いていた会社への義理が云々とか、社会常識的にどうこうと言うつまらない話で否定的なわけではありません。
単純に退職した後はお金がかかるので、辞めますって言う程度のことをお金を払ってまでやるべきじゃないってだけです。
実際私もFIREして感じましたが、退職後の住民税と健康保険料の支払いは本当にえげつないです。
働いている時の収入や退職した時期にもよりますが、最低でも数10万、100万円を超えることもザラにあるはずです。
そのまますぐに次の会社に転職というならまだしも、一旦無職を挟む場合はこの出費はダメージが大きいはずです。
まるで国が税金を吸い上げる奴隷に仕事を辞めさせてなるものかと、仕組化したのではないかと勘繰ってしまうほどです。
病気による退職や、クビなら減免制度もありますが、健康でただ会社を辞めたい場合はかなりハードルが高いのは間違いありません。
そんな状態でFIREする訳でもない、普通の社畜が退職代行に数万円払って辞めるなんて、後々後悔すること請け合いです。
辞めた後のことを考えれば、多少嫌だろうが何だろうが退職代行を使わずに辞めた方が良いでしょう。
私もFIREできるくらいの資金がありましたが、わざわざお金を払うのも勿体ないので、上司と人事に退職を宣言して退職しています。
退職は言い出し辛いというのも分かりますが、お金を払うほどではありません。

お金はもっと重い物です。
辞めると言う社畜に対して会社は無力
そもそも日本国憲法に職業選択の自由が規定されており、民法や労働基準法に定められた「退職の自由」や「奴隷的拘束の禁止」といった権利が法律で保障されています。
これだけガチガチに辞める権利が認められているのに、わざわざ第三者に依頼するっていうのは変です。
粛々と権利を行使して辞めるだけで良いはずで、退職代行を使って辞めることで得られる具体的な利益が無ければ使う必要もありません。
言い辛いことを代わりに言ってくれる程度では割に合いません。
退職手続きもそんなに大変なことなぞありません。
上司に引き止めをされる?
会社が賠償をちらつかせてくる?
どれも意味がありません。
退職届を内容証明で郵送して、行かなきゃいいだけです。
社畜が辞めたいと言うのは、決して伊達や酔狂ではありません。
労働条件、職場環境、給料諸々、様々な要因を総合的に判断して辞めるという判断をしています。
それに普通は退職すると言う前に準備は万端にしています。
会社在籍中に転職先を見つけて内定が出た段階で、初めて自社に辞めると言います。
つまり会社を辞める宣言をした段階で、もう次の会社があるので今の会社に居残る可能性はゼロってことですね。
この辺りが分かっているのか、分かっていないのか不思議なサービスが出てきました。
退職代行に対抗してどうするんだ?
そのサービスが、退職引き止めサービス「イテクレヤ」です。
もう社名からウケ狙いに見えますね。
「モームリ」に対して「イテクレヤ」
ただ引き止めは無駄だと思います。
残っても、裏切者的な見方をされますし、やる気を疑われ、職場でも気まずい感じになるでしょう。
1回言ってしまえば、どんな条件を出されても退職を撤回しないでしょう。
そもそも人事権も給料の決定権もない第三者が出てきて、引き止めなんてしても無駄です。
何を言っても胡散臭いですし、実現性が無さそうです。

それとも、根拠のない話で強引に引き止めるんでしょうか?
ちょっと内容を見てみます。
モームリのように会社の代理人として退職者に対して引き止め交渉をするのかと思いましたが、どうも違うようです。
会社に聞き取りをして退職に至る原因を追求し、改善策を考案し制度に組み込んでもらって退職者を減らそうという会社のようです。
コンサル業ですね。
それにしても、この退職に至る原因をどうやって知るんでしょうね。
辞める人なんて会社に本当の辞める理由なんて伝えませんよ。
私も「FIREするからこの会社にもう用はない」なんて本音は言ってませんし、本音をぶちまけて会社を辞める人なんて居ないはずです。
しかもモームリのような退職代行を使われたら、理由すら言わないんじゃないでしょうか。
まぁ退職理由なんて基本的に給料と待遇にフォーカスされるはずなので、この会社に払う金があるなら従業員に還元してやった方が良いと思います。
そんなんだから退職されるんやでと思いますが、それにしても変なサービスがどんどん生まれていきますね。
コメント
nekonabeさん おはようございます。はしQです。なるほど変なサービスです。そもそも退職者が出た会社はどのように調べるのでしょうか。よくあるパターンは人事担当に
「最近は事前通告もなく突然やめたからなどはありませんでしょうか」って聞くのでしょうか?会社側にヒアリングしても、答えは「よくわからない」だと思います。それを一般論で対策を提案するのでしょうか?まあこの会社の勤務者は大変でしょうね。なんでも最近は「とりコン」という言葉もあるようで、コンサルはかつての広告代理店のように、なり手には不自由していないのかもしれません。・・・ではまた・・・
はしQさん、コメントありがとうございます。
多分人事にヒアリングして対策を考えるんでしょうけど、本音は分からないので、対策も本音じゃない部分を参考に決めることになるでしょうね。
給料を上げて、休みを増やせという無理ゲーを提案されていたら笑うんですが、根本的な部分には手を付けずに環境的な部分だけの対応になるんでしょうね。
若い人はコンサルになりたがるみたいですね。
会社によって大分幅があるような気がします。
営業の方が潰しが効きそうですが、やりたくないんでしょうね。
退職代行にはいくらでも払いたいと言ってた社畜が前におりましたのでおそらく上司がおどしたりどついたりするのでしょう。世の中はやばい人だらけですのでブラック企業ならそんな人ばかりなのでしょう。ですが退職後の支払いは凄まじいです。
>>まるで国が税金を吸い上げる奴隷に仕事を辞めさせてなるものかと、仕組化したのではないかと勘繰ってしまうほどです。
これはあり得ます。
哀れな独身さん、コメントありがとうございます。
私は脅してきても粛々と手続きしますけど、在職中に飼いならされた影響で反発しにくい人が多いんでしょうね。
この辺は資産があれば、喧嘩してでも辞められるんですが、資産がないと丸く納めたいと思うのかも?
辞めると税負担の重さを実感しますね。
この支払いを乗り越えるのが、無職への試練になりますが、ちょっと貯金がある程度だと厳しいでしょうね。
こんばんは仙堂です。
そんなサービスができたんですか。
第三者的に、その会社の労働実態を評価する、というのは良いかもしれません。
経営者が「会社の常識は、世間の非常識」を認識する機会になるでしょう。
それよりも誰か「退職代行サービスを使った人たちのその後」をまとめて特集してくれないかな?
仙堂智隆さん、コメントありがとうございます。
労働実態を評価したら労基が出てきそうな会社が多そうですね。
今の日本だと労働法を順守しているだけでホワイト扱いされる有様ですから。
代行サービスを使った末路は、多分何回も使うんでしょうね。
ほとんどバックレみたいなもんで、簡単に辞められるのでどんどん職歴が汚れていきそうです。