地獄のフタをこじ開けたい経営者たち
以前、時間外労働の上限規制緩和について記事を書きました。
この時私は”地獄のフタが開く”という表現をしましたが、これは上限を緩和すると力関係的に強い側が有利に働くと私が考えているからです。
国が「好きにして良いぞ。」って言ったら、経営者も「好きにして良いぞ。(お前ら、当然分かってるよな。)」って言うに決まってます。
そもそも今も上限を守っているようで、守る気がない状態ですからね。
人命より納期が尊重されている会社が多いでしょう。
納期が迫ってきたら、労働時間の上限を超えていても持ち帰り残業するなんてのも社畜ではありふれた光景ですね。
上限があってもなくてもブラックな働き方は変わらないって感じですが、機能はしていなくても、歯止めとしての上限は必要です。
もし破ったら、経営者を執行猶予なしで檻に入れるくらいの罰則があっても良いんですが、それは絶対しないでしょうね。
社畜も納期を守るために、働いちゃうケースは多いでしょう。
これは社畜の責任感に付け込んで働かせているだけですが、経営者的にはこれを「働きたい」という表現を使っている所が恐ろしいです。
上限が死ぬ手前に設定されていなければ、過労死する社畜が増えるだけでしょう。

正直、ブラック企業は守る気もないので上限があろうがなかろうが守らないんでしょうが、コンプライアンスを気にする大企業は規制緩和を求めていますね。
今日は労働組合と経営者で言ってる内容が正反対でちょっと面白かったので、そのお話をしようと思います。
経営者はこき使いたい本音が駄々洩れ過ぎる
地獄のフタを開けたい経営者ですが、あまりに露骨な”こき使いたい”表現である”働きたい改革”という言葉は封印したようです。

「働き方改革の再構築」に文言を変更しただけで、中身は変わないと思います。
経営者の本音は2024年に経団連から発表された「今後の労働基準関係法制に
経済界として求めること」に書かれている内容でしょうね。


何か商習慣がどうとか、実務が云々と言っていますが、規制強化なんてトンでもない、インターバル規制に関してもルール化するなというのが本音でしょう。
働いているのは人間なので、上限もインターバルも商習慣やイベントに左右されません。
寝なきゃ死ぬし、日常生活がある人間なので、生物が働く基準として画一的な縛りは当然必要なはずですが、とりあえず従業員はこき使ってナンボというのが経営者のスタンスです。
「罰則があったら、こき使えないだろ!自由に使い潰させろ。」という文句が聞こえてきますw
社畜の代表は至極真っ当な要望を出す
経営者とは反対に、労組側は労働時間を1日7時間に減らして欲しいという要望を出しています。

週35時間、勤務間のインターバルは11時間以上を義務化して罰則を設けることと、まぁ人道的です。
ただ経営者の意見とは真っ向から対立していますね。

社畜時代は36協定の呪いと戦ってきたオッサンからすると、この位の歯止めは付けておいて欲しいものです。
ホワイトな企業でも36協定の上限に到達するまで、会社は殆ど何も言いませんからね。
残業が40時間超えても、「40時間超えたぞ、申請しろ!」くらいしか言いません。
上限だけ運用されている状況なので、基本の労働時間を短縮することで総労働時間も減らせるでしょう。
さらにインターバル制度ができれば、終電で帰っても、シャワー浴びて仮眠取って即出社ってこともなくなるでしょうし、人間の暮らしをするならこの程度の縛りは欲しいところです。
働かないおっさんはどう思う?
既に労働市場からは退出した元社畜のオッサンからすると、心情的には労組側ですね。
ただサービスを受ける側からすると、経営者側の方が都合が良いでしょう。
いつでもサービスが受けられた方が良いに決まっています。
働いている人間は死んだ目をしていると思いますがw
そもそも給料を上げない(上げられない)会社なら労働時間を短くするべきなんですよね。
人が来ないのはブラックだからで、給料も福利厚生も知名度も何1つ大企業に勝てないなら、労働時間を短くするくらいしか「売り」ができません。
ハードワークで高給な企業と、給料は安いけど労働時間が短い企業で差別化できれば、豆腐のZ世代も引き寄せられるかもしれませんよw
今の正社員の社畜の労働時間は横ばいですからね。
週40時間の檻を壊せば、壊した会社から先行者利益が得られるでしょう。
厚生労働省の資料からも明らかですが、日本の総労働時間が減っているのは、生活費が足りない年金生活者や、パーㇳのおばさんといったあまり働かない連中が大量に流入して薄まっているからです。

実際、世の社畜の労働時間は減ってません。
これは社畜として働いた経験があれば、誰でも分かると思います。
10年前に比べて拘束時間が減ったかって聞かれても、別に減ってないでしょう。
私のようにFIREに向けて、意識的に残業止めでもしない限りは労働時間は減っていないはずです。
そしてMAXまで減らしても週40時間、月160時間、年間1900時間近くは働くことになります。

社畜の労働時間を短くするのは少子化対策になるんじゃない?って話を以前しましたが、この手の労働条件の話で争った場合、経営者側が勝つんでしょうね。
徒党を組んだ社畜の群れと、徒党を組んだ経営者の群れの戦いは後者の方が圧倒的に有利でしょう。
多分FIREして良かった~って展開になりそうですが、心情的には労組側を応援しようと思います。
勝てないと思うけど、ガンバレ♪



コメント
nekonabeさん おはようございます。はしQです。もうすぐ年金暮らしのじじいには、茶番でしかありません。その意味では目つきの悪いおばさん総理は、ある意味画期的と思います。労使がなれ合いで36協定厳守を約束し、厚労省は36協定違反をつつくだけで、根本的な改善には見て見ぬふり。「まあそこは何とか」でうやむやにされてきた形だけの「働き方改革」よりはまともな議論が進んでようやく経営者よりの労働組合も動かざるを得なくなりました。その意味で画期的です。勝ち負けは戦う前からついていますが、ちょっとでも収入と自由時間のバランスが良くなればと思います。・・関係ないけど年金は非課税にしてほしいなあ・・・ではまた
はしQさん、コメントありがとうございます。
年金非課税に関しても罠がありますよね。
繰り下げ受給して受給額が上がると税金取られる額が増えますからね。
なぜかいつも支払額が増える話ばかりしますが、その分税額も増えるので手取りが減る話はしないのは悪魔みたいだなと思っています。
オッサンは国民年金も免除してますし、20年程度しか支払っていないので年金額は非課税になるかもしれませんね。
年金を本来の意味で当てにしないなら、支払期間を短くすると非課税になりますよw
記事と関係ないですが今ワイドショーで話題の26年前の名古屋主婦事件
犯人は43歳主婦 旦那は名古屋大卒のエリート高収入
子供は3人 10歳くらい
この状態で同窓会でたまたま会ったご主人にほれていきなり奥さんを という内容ですがどう思いますか?
動機は絶対に言えないと取り調べは拒否しています。
犯人は土曜日のお昼に包丁を持って自宅に乗り込み玄関で襲撃、手に大けがをして血まみれでふらふらしながら歩いて逃走。町中の人に目撃され、こいつめちゃ怪しいと言われながら帰宅。
警察は犯人は女性、40代、血液型、DNA、全て把握しており、犯人が手に大けがをしていることも知っていて怨恨の線で
捜査していて迷宮入り。犯人は近所に住んでいて手は大けがで治療できていない状態なので適当に捜査してもすぐ捕まりそう。
リポーターさん、コメントありがとうございます。
うーん。
どう思いますか?と聞かれてしまうと興味ないですと回答せざるを得ない内容ですね。
毎日起きる事件の1つですので、その事件1つ1つに関して特に思うところはありません。
警察と検察お得意の自分たちで妄想したシナリオに沿ってなかった可能性はありますね。
こんばんは仙堂です。
経営者側も労働者側も、一番の解決策は「時間あたりの生産性を上げる」ことですね。
それが、ひいては日本全体の生産性を上げることにつながります。
大企業では残業時間が少しずつ減ってるみたいですが、多くの中小企業では、古い業務フローが残ってたり、ITツールの導入が進んでなかったり、社員のスキルアップの教育にかける余裕がなかったり、労働時間の短縮がなかなか進んでないみたいですね。
もちろん中小でも変化に柔軟な会社は働き方改革ができてるし、昔のやり方に固執している会社は人材が流出したりして縮小していると思われます。
仙堂智隆さん、コメントありがとうございます。
ITツールに関しても導入しても、今のやり方を無理矢理維持させようとしますからね。
あれも謎です。
君たちより賢い人が考えたツールなので、そのまま使った方が遥かに効率的なんですが・・
なぜかカスタムして非効率なものを導入しますね。
システムに人を順応させるんじゃなくて、人にシステムを合わせようとする日本の不思議なところです。
nekonabeさん、素人なので教えてください。
今の会社の業務を効率化するためにシステム(ツール)を導入するんですよね。
ユーザーインターフェイスを会社のやりかたにあわせるのは、ソフト会社としたら当たり前の仕事だと思ってます。(企業側のシステム担当者がいい加減で、ころころ仕様が変わる(えっそこまで変更するの?ってレベル)のに納期はかわらない、というシステムエンジニアのぼやき話を読んだことがあります)
システムを発注するのと業務改善を同時にしないとダメ、ということでしょうか。
古いパターンで言うと、メールを導入したのにファックスが残ってるみたいな。
電子化と言いながら、紙での保存を義務付けるみたいな? (古い例えですみません) そんな感じのことでしょうか。
元いた会社の営業で言うと、顧客やエリアの市場分析、日々の営業報告、売り上げ、顧客に見せる資料やQ&A、などはすべて電子化されタブレットに入ってる、そのレベルにはなってました。
でも、監督官庁への報告に紙で保存した書類が必須だったので、その関係の資料は紙での保存が義務付けられていました。社内便でやり取りして上司の判をもらって、って邪魔くさいことこの上なし!
多分、どこかで誰かが、紙から入力して電子化して解析してるんですけど。
もう今では変わってるかもしれませんが。
仙堂智隆さん、コメントありがとうございます。
その会社の業務フローに合わせるっていうのが日本的な部分ですね。
海外だとインターフェイスが変わったりフローが変わっても人がシステムに合わせます。
今の業務フローを無理矢理システム側で合わせるのが日本的って話ですね。
なので、システム導入時も後で揉めるのがこの辺の変更回りです。
導入する前の要件を固める段階で、業務改善しますね。
依頼する側のシステム部門がまともで、全社的な意見のすり合わせをしてくれれば導入後の変更はそうそう起きませんけど、そんなに優秀なシステム部門なんてないですからね。
だから導入後に前と違うみたいな話で揉めたり、訴訟が起きたりするんでしょうね。