自分より少ない資産でFIREした人を見て安心したいオッサン
最近FIREが近づいてきたことも影響してか、私の資産より少額でFIREしたという人の動画やブログを見ることが増えてきたように思います。
見る理由?
そりゃ安心したいからです。
自分より少ない資産でもFIREできているなら、私も大丈夫だろうという日本人的な安心の仕方です。
いくつかFIREした系の動画を見ている中で1つ気になったことがあります。
それが「〇〇〇万円あればFIREできる。」という動画です。
今日はお幾ら万円あればFIREできる系の動画について思うところを話していこうと思います。
条件設定の違いで、FIREに必要な金額にどんどん幅ができる
FIREを目指している人であれば日々の生活でごく自然に理解できると思いますが、FIRE可能な金額というのは、〇〇〇万円あればFIRE可能と一言で語ることはできません。
一言で語れないのは、人によって生活費が異なるという極々当然の理由からです。
FIREを目指していれば、変態的な節約をしている人や普通の人と殆ど変わらない生活をしている人、良く旅行に行く人等、様々なお金の使い方をするFIREした人たちの生活を見ていることでしょう。
FIREに幾ら必要かと言う話は、大体年間生活費の25倍を基準に目標額を設定している人が多いと思います。
個人的には生活費の25倍に加えて、予備費(老齢時の医療費やリフォーム費用、家電の買い替え費用)をプラスして考えた方が良いと思いますが、FIREの前提となる月の生活費に大きな幅があることに加えて、この予備費も考える人と考えない人が居るので、FIREに必要な金額の幅はどんどん大きくなってしまっています。
調整に使う匙が大きすぎる、幾らあればFIREできる系動画
この幾らあればFIREできる系の動画、金額にFIREした人の感覚が多分に盛り込まれることになります。
ただ見ていて違和感を感じるのは私だけでしょうか。
人一人が1年間生活するために必要な金額の25年分、四半世紀もの長い時間なので大きな金額になるはずです。
にも拘らず、1,000万円、2,000万円といった少額でFIREできるという動画も存在します。
1,000万円だと年間40万円、2000万円でも年間80万円です。
1カ月当たりに均すと33,333円とか66,666円ですよ。
もちろんこの資産クラスだと完全FIREではなく、サイドFIREするという形になりますが、FIREと言うにはかなり心許ない金額です。
かなり心許ない金額ではありますが、少ない資産額に合わせて生活費自体もかなり少ない人が多いです。
皆さん、月10万円以下で暮らしていて、その生活を25年以上続ける前提で計算しています。
少額のFIREは自分もマネできると思わない方がエエで
この生活費の見積もりですが、多く見積もっておく分には安全マージンが大きく取れて問題ありません。
上ブレ幅がある分には良いのです。
余るのはお金ですから、余ったところで何も困りません。
ですがあまりに少な過ぎるのは危険を孕みます。
本人にとっては普通の生活費だと思っていても、その生活は一般的ではないからです。
四半世紀以上、今と同じ生活を続けられるのかはかなり疑問を持ちますし、持続性についても疑問符が付きます。
多くの人と同レベルの生活費であれば、それで生活できないとなれば大きな社会問題にもなるでしょうし、対応策も多く考えられることになるでしょう。
ですがあまりに少額の場合は、そんな生活をしている人は絶無に近いくらい居ないでしょうし、使える金額が小さいので対応できる幅も小さいでしょう。
家を過疎地や、需要が供給より遥かに少ない地位で借りることについても、少子化の昨今、将来的にも自治体が残っているかがかなり怪しいです。
そう考えると、一般的な生活費より2割くらい少ない程度を限度に計算した方が無難なのではないかと思ってしまいます。
一般的な生活費を幾らと考えるのか。
それは総務省統計局が発表している「家計調査」が参考になります。
私は独身のオッサンなので、単身世帯の結果を確認します。
2024年7月~9月の結果では勤労世帯で176,605円、無職世帯で149,544円です。
この金額も2人以上世帯に比べるとかなり少額です。
これだけ少額なのは、家賃が殆ど計上されていないことも影響していると思います。
特に無職世帯は持ち家率が高いので、家賃が月8,316円、勤労世帯でも24,937円です。
この家賃の少なさを考慮に入れると、FIREのために節約生活が板に付いていた生活をしていたとしても、2割減くらいが限界ではと思ってしまいます。
つまり、勤労世帯で141,284円、無職世帯で119,635円です。
これをベースに25年分の生活費を考えると、勤労世帯で42,385,200円、無職世帯で35,890,500円です。
独身でも大体3,600万円から4,240万円が必要になることになります。
これは予備費を一切考えていないですし、予備費は少し働いて稼ぐと考えればこれくらいがFIREのミニマムではないかと思います。
20代でのFIREならともかく、30代以降はFIRE後は後戻りできないことも考えれば3,600万円以下でFIREできるという話はあまり鵜呑みにしない方が良いのではないでしょうか。
コメント
FIRE動画を投稿する人は基本的にYoutubeなどで利益を当てにしている
ただのフリーターもどきなのでFIREではないですね。
自分でFIREと言ってるだけの人です。
あかいろさん、コメントありがとうございます。
生活費の足しにしようとYoutubeに動画投稿しているでしょうね。
要するに資金的に足りてないと言い換えることもできそうです。
もしかしたら、足りているけど趣味で投稿している可能性もありますが、そんなに余裕も無いでしょうから足りてないんでしょうね。
足りてないのに、足りていると言い張っていると考えるとちょっと面白いです。
nakonabeさん おはようございます。はしQです。いやーこの問題は、本当に個人の価値観です。特にFIREするしないを分けるのが、「思いっきり」といえば聞こえはよいですが「無計画さ」でしょう。どう考えても生きていくのすら難しい資産でFIREはあり得ません。こういった輩は「無視」に限ります。と思っていましたが、FIREが流行すると、人手不足(人材不足)が懸念されるだけでなく、消費もずいぶん低下するなんてのを最近見ました。そりゃ極度の節約生活を強いられ、消費は低下します。またそうなると病気にもかかりやすくなるため、公費の負担が増え、結果各種保険料掛け金の上乗せなんて、変なとばっちりが来そうです。「ろくに資産が積みあがっていないのにFIREするな」というムーブメントは起きないだろうな・・ではまた
はしQさん、コメントありがとうございます。
個人の価値観は大きく影響するでしょうね。
後は幼少期の生活水準とかも影響しそうです。
私もその記事を見ましたけど、そんな影響するほどFIREする人増えないだろうと思いました。
憧れはしても実際目指し始める人はそう多くないと思います。
やってみれば分かりますが、始めるハードルは高くないですが、継続するのが結構大変だと思っています。
生活水準を下げて、余裕資金を作って投資に回す。
こんな簡単なことでもずっと続けられる人はそう多くないようです。
社会保険料に関してはFIREする人間が増えようが、減ろうが増税が基本線なので、何が起きても増え続けるんでしょうね。
FIREすれば払う額は大して増えないでしょうから、FIRRE後は社畜は大変だなと生暖かく見守ることになりそうです。
40歳時点で生活費40年分蓄財しているなら安全にFIRE出来そう。30歳未満でFIREするなら生活費50年分無いと厳しい。
ななしさん、コメントありがとうございます。
25年分にしたのは4%ルールですね。
投資から得られる利益で生活費を賄うのが基本方針なので、多ければ多いほど安定するでしょうが50年分も貯めたらその前に定年になりそうですね。