FIRE前より精神的ダメージが大きくなりそうな暴落相場
最近あった暴落相場で、ちょっと大人しくなってきたFIRE界隈ですが、FIREを目指している人はそれほど暴落相場にも動揺せず、パニック売りしないで淡々と積立を続けているようですね。
何なら買いに向かう人も居て、以前のように暴落からのパニック売りで「もう投資なんてしない。」という人は減ったように見えます。
勿論パニック売りも健在で、今年から新NISAを始めました的な投資キッズ達が早々に退場したようですが、数年投資を続けているキッズ達は意外なことにまだ耐えて投資を続けている人も多かったようです。
日本の金融リテラシーも上昇してきたのかと感心する一方、相場暴落時に必要以上に動揺する養分が減って悲しくもあります。
FIRE前の積立を続けている状態では、毎月安定して入ってくる給料があるのでそれなりの経験値があれば動揺は少ないですが、FIRE後となると毎月必ず入ってくる収入という物がないので、精神的な動揺はFIRE前に比べて遥かに大きくなるはずです。
今日はFIRE後に気付く3つの罠という記事をみたので、そのお話をしようと思います。
FIRE後に気付く3つの罠
FIRE達成者が直面する現実…退職後に気づく「3つの罠」【投資のプロが警鐘】という記事を読んだんですが、この話について考えてみようと思います。
この記事ではまず早計にFIREしてしまう人が多いという指摘をしています。
4%ルールもありますが、そもそも4%ルールをキッチリ守ってFIREする人より、その遥か手前の時点でサイドFIREする人が多いような気がします。
実際、FIREした人1,000人から聞いたアンケート結果でも3,000万円未満でFIREした人が過半数の人数居たので、フルFIREまで我慢できずにサイドFIREが可能かなという時点で会社を辞めてしまう人が多いようです。
そういった意味では早計にFIREしていると言えばそのとおりです。
それだけサッサと社畜を辞めたいってことでしょうね。
日本の労働市場は闇が深いのです。
私は以前からLEAN FIREよりもうちょっとFAT FIRE寄りの資産を作ってからFIREした方が良いし、働かないと生活が回らないならもうちょっと我慢して社畜を続けてからフルFIREした方が良いという話をしています。
そういった意味では私は早計にFIREするタイプではないとは思いますが、それでも罠にかかる可能性はあると感じました。
1つずつ3つの罠について見ていこうと思います。
【罠1】ここ数年のパフォーマンスが「通常」だと思っている
罠1はここ数年のパフォーマンスが普通だと思っているという内容です。
ここ数年というよりはリーマンショック後から、相場環境は比較的好調なので勘違いしてしまいそうなのは良く分かります。
私も既に昔どう対応していたか、忘れかけている位昔の話です。
全然株価が上がらない時期が何年も続くというのは、ここ数年どころか十数年ないのでそれなりに投資歴が長い人でも、投資のパフォーマンスを見誤っている人は多くいるでしょう。
投資を始めた時期が15年以内であれば投資パフォーマンスを見誤っている可能性は十分にあります。
投資歴が15年以上あったとしても、昔のこと過ぎて既に相場の低迷期を忘れている可能性がありますね。
もっと上がるはずと思って計画していたのに、暴落と低迷期がセットで到来して想定どおりにFIRE後の生活が送れなくなったという可能性は誰にでもありそうです。
【罠2】年率4%のリターンの意味を取り違えている
年率4%の意味を取り違えているという人はFIREする人には少ないと思います。
パフォーマンスが10%以上の年もあれば、マイナスの年もあるなんてことは投資をしていれば誰でも分かっているはずです。
更にFIREしようなんていう人は、2,3年で達成するわけではありません。
5年、10年、10年以上という投資経験を積んだ上でFIREするのですから、勝てない年もあるなんてのは十二分に承知しているのでしょう。
ですが、罠1でもあったようにここ数年の相場環境は良すぎるので、パフォーマンスが落ちた時に動揺するかもしれません。
特に甘めに見積もってFIREしてしまった場合は、危険そうです。
FIREした人の中には自身で勝手に5%、7%の投資利益を前提にしてFIRE計画を立てている人も居るかもしれません。
裁定取引でFIREした人なら、低迷する相場でも何とか乗り切れるかもしれませんが、積立てFIREした人はどうにもならないでしょうね。
積立の場合は相場の状況に流されるしかありません。
悪い時もあれば、良い時もある。
ごくごく当然ですが、FIRE後の無職状態の時に「まぁ相場なんてこんな物さ。」と言えるかは、その人の性格やメンタリティで大きく変わってきそうです。
【罠3】FIREした事実が気を大きくさせる
最後の罠は社畜からコツコツ積み立ててFIREしたような人はまず当てはまらないでしょう。
仕事を辞めて気が大きくなって、財布の紐が緩むなんてまず無いはずです。
定年退職して、退職金を貰って気が大きくなった60代とは全く異なります。
FIREしたら財布の紐を緩めるとか、そんな次元でFIREする人は生きていません。
逆に引き締め過ぎていないか注意する必要があるくらいです。
FIRE後は給料という名の定期的な収入が無くなる生活になります。
この事実で、社畜時代よりより支出に対してシビアになる可能性は十分あります。
何十年も給料日になったら毎月口座にお金が入金されている。
この当たり前が無くなることが分かっているのに財布の紐を緩めるバカは居ません。
終わりに
FIRE後に気付く3つの罠ということで見ていきましたが、相場感の錯誤が一番陥る可能性が高いのではないかと思いました。
これは誰でもなりうると思います。
特にずっとそうだったので、これからも今の状態が続いていくと感じてしまうのは自然なことです。
私のように時期感でFIRE時期を決める場合以外、FIREする時は目標額の到達でFIREすることになるので、必然的に相場が好調な時にFIREすることになります。
そういった好調な時にFIREするので、毎月の支出に関しては、様々なケースを想定して保守的に額を決めていても、投資リターンについては楽観的に決めている人も多いのではないでしょうか。
私もここ数年の1年の目標を年8%以上の利回りとしていますし、調子に乗っていることは隠せません。
4%の倍8%くらい行けるだろうと思っている状態で、マイナスになれば落差の大きさで動揺する可能性は十分あります。
FIRE後に必要以上に狼狽して、おかしな判断をしないように慢心せずに行きたいところですね。
コメント
nekonabeさん おはようございます はしQです。FIRE後に気が付く罠は、貧乏FIREの方はさておき、おおむね当たっているかと思います。特に定収がなくなって資金計画を設定が狂った際の「どうしよう感」は想像できません。特に4桁万円級の損失になると、年250万円の支出から見れば4年以上の生活が減少ですから動揺は甚だしいでしょう。特にサイドFIREの方にとってバイトや副業での収入の場合によっては10年分以上のマイナスは、人生観が変わるかも。
ところで今回の大暴落の際に当方が気にしていた格言は「落ちてくるナイフをつかむな」でした。この時期に買い込んで大儲けした武勇伝が出てましたが、さすがにこれは博打なので買えませんでした。しかし投資は余裕資金でという考え方から言えば、失っても我慢できる範囲であれば、暴落時こそ勝負すべきともいえそうです。次回は少額をぶっこんでみるかなあ・・・ではまた
はしQさん、コメントありがとうございます。
落ちるナイフは掴むなは有名ですね。
コロナショックの時に落ち込んだけどスグ回復したので、今回は早めに手を出した人が結構いたのかもしれませんね。
でもあれは例外だと思ったので、そこそこ歴が長い人はスグには手を出せないのは良く分かります。
私も定期積立以外で買いに行きませんでしたし。
ちなみにコロナショックの時はちょっと買いました。
もう1回買う前に全戻ししたので、そこから買いませんでしたけど。